BRTO

  • 食道静脈瘤に対しては、内視鏡的硬化療法(endoscopic injection sclerotherapy:EIS)が行われます。
しかし、胃静脈瘤には必ずしも効果的ではないのです。
  • そこで、孤立性胃静脈瘤に対する治療として、BRTOが開発された。
  • BRTOとはbaloon-occluded retrograde transvenous obliterationの略。日本語では、バルーン下逆行性経静脈的塞栓術
  • 胃静脈瘤の流出路となっている胃ー腎静脈シャントや胃ー下大静脈シャントの遠位部をバルーンカテーテルで閉塞した上で、胃静脈瘤を5% ethanolamine oleate iopamidol(EOI)にて塞栓する治療法。

※液体塞栓物質のオルダミンがethanolamine oleate、造影剤がiopamidol。

  • 硬化剤であるethanolamine oleateはイオン系界面活性剤で、血管内皮細胞障害により外因性血液凝固能が亢進、血栓形成が促進される。

こちらでも図を用いて分かりやすく解説しました。→胃静脈瘤とは?原因、分類、治療(B-RTO)をわかりやすく!

胃静脈瘤の分類

噴門輪との関係によって3型に分類されます。
  • Lg-c:噴門輪に近接する静脈瘤。→食道静脈瘤と交通あり、同様にEISが有効。
  • Lg-f:噴門輪より離れて孤在する静脈瘤→BRTOの適応。
  • Lg-cf:cardiaからfornixに連なって存在する静脈瘤→BRTOの適応。

BRTO前には、胃腎短絡路(gastro-renal shunt:G-R shunt)の径・有無、それ以外の側副血行路、食道静脈瘤の有無をチェック。

BRTOの方法

  1. 内頸静脈もしくは大腿静脈を穿刺、B-RTO専用のバルーンカテーテルを左腎静脈から胃腎シャントに挿入する。
  2. バルーンで血流を遮断し、逆行性に造影を行い静脈瘤が描出されることを確認する。
  3. 血流を遮断したまま硬化剤(5%EOI)を注入する。
  4. 30分-24時間血流を遮断したまま留置する。その後、注入した硬化剤をできるだけ吸引、回収して終了。
  5. 2-3日後の造影CTで静脈瘤の血栓化がわかる。内視鏡では1ヶ月後に平坦化、2ヶ月後に消失が確認される。

 

  • 脾腎シャントがあり、脾静脈へのEOIの流入を妨げられない場合は、禁忌。なので、あらかじめ脾腎シャントの有無、造影剤の胃静脈瘤内充満の程度、側副血行路の有無をチェックすることが大事。
  • 合併症は、発熱、頭痛、血尿、肺水腫、ショック、肺塞栓、門脈血栓症。術後に門脈圧が亢進し、食道静脈瘤があった場合、悪化することがある。
  • 血尿は血栓化の過程で溶血により生じたfree hemoglobinによるもの。腎不全を生じることもある。術前には、ハプトグロビンを必ず投与し、free hemoglobinと結合し、腎不全を防ぐ目的。
症例 68 歳の男性。C 型肝炎あり,定期的な肝機能チェックを受けていた。最近手指の振戦と失見当識がみられるようになった。

BRTO2006年放射線科診断専門医試験問題42より引用。

胃静脈瘤あり、門脈-静脈短路による肝性脳症が疑われる。BRTOの治療対象となる。

症例 60 歳代の男性。

brto

2016年放射線科診断専門医試験64より引用。

胃静脈瘤を認めており、BRTOの適応。

▶︎胃静脈瘤のB-RTOの動画



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