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卵巣静脈血栓

・卵巣静脈内の血栓は、産褥期の合併症としてしばしば起こる。

・分娩の0.05-0.18%に合併する。帝王切開後は1-2%に発生。分娩後48時間以内に好発する。

・妊娠中の凝固能の亢進、分娩後の血流低下、静脈の障害、細菌感染などが原因で起こる。

・他には、子宮卵巣術後、外傷後、骨盤内感染症に偶然に卵巣静脈血栓が発見されることがある。

・卵巣静脈に血栓を認める理由としては、静脈が長いこと、不完全な弁を多く有すること、静脈血の逆流がないことが挙げられる。

・悪性腫瘍で子宮卵巣術後(子宮付属器切除、後腹膜リンパ節郭清後)のCTで無症状の患者の8割に卵巣静脈血栓を認めたという報告もあり。

・また悪性腫瘍に伴い凝固能異常が起こり、深部静脈血栓をきたすことがあり、Trousseau症候群と言われる。卵巣癌、特に明細胞癌に多いとされる。他、悪性リンパ腫や真性多血症などが知られている。

卵巣静脈血栓の原因

  • 悪性腫瘍、中でも卵巣癌が多い。
  • 産褥期
  • 子宮卵巣術後、外傷後、骨盤内感染症

卵巣静脈血栓の画像診断

・卵巣静脈静脈血栓の80-90%は卵巣静脈に生じる。

・単純CTでは、拡張した静脈の内腔に高吸収〜吸収の血栓を認める。

・造影CTにて卵巣静脈内に血栓に伴うdefectを認める。

・MRIでは急性期の静脈血栓はT1WIで高信号、T2WIで中等度信号の陰影欠損として認める。

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卵巣静脈血栓をみたときの対応

・無症状で、肺動脈塞栓の危険はないとされており、無症状であれば治療の必要もないとされている。

・血栓に感染を生じたり、血栓が広がり、腎静脈から下大静脈に及んで、肺動脈血栓塞栓を生じた場合は致死的になりうるため、注意が必要。

卵巣静脈血栓を認めても、子宮卵巣術後ならよくあること。症状がなければ、大騒ぎをする必要はない。

卵巣静脈の解剖

・卵巣静脈、精巣静脈は右は下大静脈へ、左は左腎静脈へ合流する。

・左腎静脈圧が高くなると、左の卵巣静脈、精巣静脈は側副路として発達する。

・左のみ腎静脈に合流するという左右差のため、左で卵巣静脈、精巣静脈は圧上昇することが多く、そのため、精索静脈瘤は左側に多い。

・卵巣腫瘍、精巣腫瘍がある場合、リンパ流は静脈に並走するため、卵巣静脈、精巣静脈が下大静脈、左腎静脈に合流するレベルで、傍大動脈にリンパ節腫大(転移)をきたすことがあるので注意。

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