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胎便吸引症候群(MAS:meconium aspiration syndrome)

・新生児において生下時前後の羊水の気道への誤嚥により起こる胎便による無気肺や化学性炎症反応に入り交じった肺疾患のこと。

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・通常は胎便の排泄は起こらない!

・分娩が正常に進行しない→胎児が産道に停滞→低酸素症→強い呼吸運動→胎便の排泄→吸引→肺炎・無気肺→気道狭窄→閉塞性肺気腫→過膨張となる。

分娩直後に発症し、多呼吸、陥没呼吸、鼻翼呼吸などの呼吸器症状をおこす。

・原因としては、子宮内や分娩中における胎児の低酸素血症、臍帯の圧迫などによって胎児の排便を誘発し、このために胎便による羊水の混濁が生じ、これを気道へ誤嚥することによる。

成熟児や過熱児に多くみられる。分娩時にストレスを受けた児にもみられることがある。参考)新生児呼吸窮迫症候群は未熟児に起こる。

・胎齢に比して低体重であることや胎児仮死などが誘因となる。

・ 臨床的診断は胎便による混濁が生じた羊水の存在と、声帯より下部の気道に胎便が存在することで確定する。

・治療は、程度の強い場合は、体外循環のECMO(extracorporeal membrane oxygenation)の適応となることあり。

胎便吸引症候群の画像診断

・胸部単純X線像は様々であるが、一般的に胸郭の拡張は良好。肺は過膨張を呈することが必発で、横隔膜の平坦化や胸郭の膨張を認める。

・胎便が気管支を閉塞→check valveの作用によりair trapping→肺は過膨張、気胸・気縦隔を起こす。

左右対称の粗い浸潤影・斑状影・索状影を伴う過膨張(汚い肺)が特徴的とされる。

症例 日齢 0 の新生児。胎児仮死のため,緊急帝王切開で出生し,出生時から呼吸障害あり。

MECONIUM ASPIRATION SYNDROME(2009年放射線科診断専門医試験問題38より引用)

両側びまん性に顆粒状陰影や斑状影を認め、肺は過膨張をきたしている。胎便吸引症候群を疑う所見。

 

症例 40 週,3008 g で出生した新生児。出生直後より呼吸困難。

MECONIUM ASPIRATION SYNDROME2005年放射線科診断専門医試験問題39より引用。

横隔膜が低位で肺は過膨張あり。肺野は不均一で、両側びまん性に顆粒状陰影や斑状影を認めている。満期産というエピソードや過膨張、これらの間質陰影から胎便吸引症候群を疑う所見。

 

DICを起こしうる新生児の病態
  • 分娩時合併症:胎児早期剥離、eclampsia、羊水塞栓
  • 重症呼吸障害:呼吸窮迫症候群、胎便吸引症候群、先天肺炎、仮死に伴う呼吸不全および肺出血。
  • 重症感染症:細菌性、ウイルス性、その他トキソプラズマなど。
遷延性新生児肺高血圧症(PPHN:persitent pulmonary hypertension of neonate)の原因
  • 横隔膜ヘルニア
  • 呼吸窮迫症候群
  • 胎便吸引症候群
  • 新生児感染

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