傍関節唇嚢胞

・関節唇の断裂に伴って生じる嚢胞。

・MRIでは境界明瞭の単房性あるいは多房性で造影効果を示さない液体貯留。

・肩甲棘よりも上方の肩甲上切痕(suprascapular notch)および下方の棘窩切痕(spinoglenoid notch)に伸展し、肩甲上神経を圧迫することがある。

・肩甲上神経(棘上・下筋を支配)の圧迫→棘上・下筋の萎縮(肩甲上神経絞扼症候群)

・この肩甲上神経絞扼症候群の原因としては、最多である嚢胞のほか、ガングリオン、骨折、脱臼、腫瘍が原因となる。

・神経絞扼を来すのは肩甲上神経のほか、腋窩神経にも起こりうる(外側腋窩間隙症候群)。

傍関節唇嚢胞による神経絞扼症候群

Paraglenoid Labral Cysts

p:posterior paraglenoid labral cysts→肩甲上神経絞扼症候群の原因。
i: inferior paraglenoid labral cysts→外側腋窩間隙症候群の原因。

MR Imaging and MR Arthrography of Paraglenoid Labral Cysts:Glenn A. Tung1, Dirk Entzian1, Jeremy B. Stern2 and Andrew Green3Paraglenoid Labral Cystsより引用



神経絞扼症候群

・解剖学的に狭い部分になんらかの圧迫が加わり絞扼されることにより生じる障害。

  • 肩関節:肩甲上神経絞扼症候群、外側腋窩間隙症候群
  • 肘関節:肘部管症候群、前骨間神経症候群、後骨間神経症候群
  • 手関節:手根管症候群、尺骨管症候群(Guyon管症候群)

肩甲上神経絞扼症候群のMRI画像診断

・麻痺を来した棘上筋もしくは棘下筋は、脱神経・浮腫によりT2WIで高信号を呈する。

・関節唇嚢胞は、関節唇に接する嚢胞として認められる。多房性の場合もあり。

ご案内

腹部画像診断を学べる無料コンテンツ

4日に1日朝6時に症例が配信され、画像を実際にスクロールして読影していただく講座です。現状無料公開しています。90症例以上あり、無料なのに1年以上続く講座です。10,000名以上の医師、医学生、放射線技師、看護師などが参加中。

胸部レントゲンの正常解剖を学べる無料コンテンツ

1日3分全31日でこそっと胸部レントゲンの正常解剖の基礎を学んでいただく参加型無料講座です。全日程で簡単な動画解説付きです。

画像診断LINE公式アカウント

画像診断cafeのLINE公式アカウントで新しい企画やモニター募集などの告知を行っています。 登録していただくと特典として、脳の血管支配域のミニ講座の無料でご参加いただけます。