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気腫性腎盂腎炎(emphysematous pyelonephritis)

  • 急性腎盂腎炎の特殊型。
  • 腎実質や周囲にガスの集積を認める壊死性感染症。死に至ることもある。
  • 原因菌は大腸菌が最多。次いで肺炎桿菌。いずれもガスを産生する菌。

※組織内のブドウ糖濃度が上昇し、血流が低下し、免疫能が低下した状態ではグラム陰性通性嫌気性菌はブドウ糖を解糖発酵して酸と二酸化炭素を生成する。

  • 9割程度に糖尿病を合併しており、特にコントロール不良例に多い。

※糖尿病患者では、感染防御能の低下を認めており、ガスが発生しやすい。気腫性胆嚢炎、気腫性膀胱炎、壊死性筋膜炎、Fournier’s Gangrene(フルニエ壊死)など。

  • 3:1程度で女性に多い。
  • 1/3で腎盂尿管の閉塞を認める。
  • 症状は発熱、背部痛、嘔吐・嘔気、呼吸苦、意識障害など。
  • 治療は抗生物質、補益による保存的治療。膿瘍形成があればドレナージを施行することもある。また腎盂内にガスが限局している場合には、腎瘻造設術が有効。
  • また場合によっては、腎摘出術を行う。

気腫性腎盂腎炎の画像診断

  • CTにて、腎腫大、腎実質の破壊、泡沫状または線状のガス、周囲液体貯留や局所の膿瘍形成を評価する。
Wanらの分類
  • Type Ⅰ:腎実質破壊(ガスあるいは液体貯留は見られない)→致死率69%
  • Type Ⅱ:腎実質内または腎周囲の液体貯留(限局的なガスあり)→致死率18%
Huangらの分類
  • Class 1:ガスが腎盂、腎杯内に限局
  • Class 2:ガスが腎実質内に限局
  • Class 3A:ガス及び膿瘍が腎周囲腔に進展
  • Class 3B:ガス及び膿瘍が傍腎腔に進展
  • Class 4:両側腎におよぶまたは片腎症例

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症例 50 歳代の女性。腹痛と発熱を主訴に来院した。

emphysematous-pyelonephritis

2016年放射線科診断専門医試験問題56より引用。

左腎にairあり。気腫性腎盂腎炎が疑われる。

症例 50 歳代の男性。発熱と腰背部痛。

Emphysematous pyelonephritis2011年放射線科診断専門医試験問題60より引用。

左腎にガス貯留あり、気腫性腎盂腎炎を疑う所見。


 

症例 40歳代女性 腹痛発熱。

emphysematous pyelonephritis(放射線科診断専門医試験問題2010年53番より引用)

左腎周囲に液体貯留およびガス貯留あり。Wanらの分類Type2相当。

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