遺残三叉動脈(PTA:persistent trigeminal artery)

・胎生期に一時的に出現する内頚動脈-椎骨脳底動脈間吻合路(persistent carotid-vertebrobasilar anastomosis)が遺残することがあり、遺残三叉動脈はその一つ。正常変異である。

・遺残原始三叉動脈、遺残原始三叉神経動脈とも言われる。

・内頚動脈-椎骨脳底動脈間吻合路には4種類が知られている。

  1. 遺残三叉動脈(PTA:persistent trigeminal artery) ★★★
  2. 遺残舌下神経動脈(PHA:persistent primitive hypoglossal artery):頚部内頚動脈から起始し、舌下神経管を通って脳底動脈近位部と吻合する。2番目に多い。★
  3. 遺残聴神経動脈(POA:persistent otic artery) :稀
  4. persistent proatlantal intersegmental artery:稀

persistent trigeminal artery

・遺残三叉神経動脈は内頚動脈と脳底動脈が吻合したもの(内頚動脈と脳底動脈を結ぶ動脈が、退縮せずに残ったということ)。

内頚動脈の海綿静脈洞部近位脳底動脈の中央部付近ないし遠位1/3部を結ぶ。

・0.02-0.6%と比較的頻度が高い。

・遺残三叉神経動脈自体には、臨床的な意義は少ないが、合併症として、脳動脈瘤(14~32%)がある。

・また、近位部の脳底動脈の萎縮を認めることがあるが、病的な狭窄ではないので注意が必要。

・また、遺残三叉動脈自体が原因で、三叉神経痛や動眼神経麻痺となることがある。

症例 70歳代男性

persistent trigeminal artery

 症例 70歳代女性

persistent trigeminal artery1

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参考)
画像診断Vol,32No.11臨時増刊号2012 s26-28



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