未分化胚細胞腫

  • 悪性未分化胚細胞腫。
  • 卵巣に発生する悪性腫瘍の3-5%の稀な腫瘍。
  • 成熟嚢胞性奇形腫を除くと、胚細胞腫瘍で最も高頻度(40%前後)。悪性の胚細胞腫瘍では最多(ついでyolk sac tumor)
  • 20-30代に好発。
  • 10-15%は両側性に発生。
  • 症状は、腹痛、腹部腫瘤、捻転、出血、破裂、不正出血、発熱など。
  • 悪性で覚えておくべき胚細胞腫瘍は、ディスジャーミノーマ(未分化胚細胞腫)、卵黄嚢腫瘍(yolk sac tumor)、未熟奇形腫(G3)。
  • LDH、ALP、hCGの上昇を認めるが、特異的な腫瘍マーカーはない。(参考 AFP:卵黄嚢腫瘍、胎児性癌、未熟奇形腫、hCG:絨毛癌)
  • 肉眼像: 分葉状充実性腫瘍、貝柱状
  • 多彩な組織像: シート状増殖、two cell pattern、大型異型細胞+小型成熟リンパ球。
  • 同様腫瘍が部位により名称が異なる。精巣ではseminoma脳、胸腺、後腹膜ではgerminoma と同義。
  • 放射線や化学療法への感受性が高く、予後は比較的良好。
  • リンパ節転移陽性例では、骨盤腔および傍大動脈リンパ節に25-30Gy/3-4週を照射。

未分化胚細胞腫の画像所見

  • 充実性腫瘍。しばしば巨大な腫瘤を形成する。
  • 表面分葉状、T2WIで低信号で造影早期に濃染される線維性隔壁に境され、多結節状を呈する。
  • 一部に血管のflow voidを伴う。
  • リンパ節転移の頻度が高い。
  • 嚢胞・石灰化を伴うこともあるが稀。
  • 大きさの割に出血、壊死傾向に乏しい。

ご案内

腹部画像診断を学べる無料コンテンツ

4日に1日朝6時に症例が配信され、画像を実際にスクロールして読影していただく講座です。現状無料公開しています。90症例以上あり、無料なのに1年以上続く講座です。10,000名以上の医師、医学生、放射線技師、看護師などが参加中。

胸部レントゲンの正常解剖を学べる無料コンテンツ

1日3分全31日でこそっと胸部レントゲンの正常解剖の基礎を学んでいただく参加型無料講座です。全日程で簡単な動画解説付きです。

画像診断LINE公式アカウント

画像診断cafeのLINE公式アカウントで新しい企画やモニター募集などの告知を行っています。 登録していただくと特典として、脳の血管支配域のミニ講座の無料でご参加いただけます。