炎症性筋線維芽細胞性腫瘍

・inflammatory myofibroblastictumor:IMT。かつて炎症性偽腫瘍と呼ばれた。

・リンパ球、組織球、形質細胞、好酸球など種々の程度の炎症細胞浸潤と間質の膠原線維増生を伴った筋線維芽細胞の増殖からなる。

・良悪性の中間群に分類される腫瘍性病変。

・小児、若年成人の肺>肝、大網、腸間膜・大網、眼窩、後腹膜、皮膚、消化管、軟部組織、神経系、内分泌系器官に好発することが知られている.

・検査所見では貧血・炎症反応の上昇などを認める。

・肺外のIMTでは、時に発熱、体重減少、貧血などの全身症状をきたす。

・病理組織学的には紡錘形細胞の渦状の配列がみられ、種々の程度にリンパ球や形質細胞の浸潤がみられる。

・免疫染色でVimentin全例、α・SMA91%、desmin7、7%、IMTのマーカーとしてALKが47%で陽性となるとされている。

・p53の異常発現している場合は、再発例や組織学的に異型性目立つ症例であると 報告されている。

・基本的に良性腫瘍であり、lymphomaやcarcinoidと予後や治療方針が大きく異なる。

・治療は外科的切除が原則である。根治切除であれば予後良好であるが、核出術などで不完全切除である場合は約60%で局所再発するとされる。特に肺外のIMTに多い。

・稀ではあるが、遠隔転移(脳、肺、肝臓、骨)や浸潤性に発育した症例も報告ある。

画像所見

CT では境界明瞭で内部吸収値は不均一、大きくなると壊死伴うことがある。また、時に石灰化を伴うこともある。造影効果は一定の傾向にない。

・MRIではT1強調画像で筋と等信号、T2 強調画像にて軽度高信号を呈することが多いが,線維化と炎症細胞浸潤の程度により様々である。

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