海綿腎(SPONGE KIDNEY)

  • 腎乳頭付近の集合管の嚢胞状の拡張を示す非遺伝性の先天異常。
  • 大部分が両側性である。片側性のこともあり。
  • 30歳以降の男性に発見されることが多い。
  • 頻度は5,000~20,000人に1人。
  • 乳頭部の多発性石灰化をきたす。
  • 通常は無症状だが、腎結石を合併したり、感染を合併すると、発熱、疝痛、血尿を呈する。
  • 合併する結石はリン酸カルシウム結石でアルカリ性である。
  • 尿路結石の合併は2.6~21%と報告されている。
  • 通常腎機能は保たれる。
  • 排泄性尿路造影で乳頭部(腎錐体内)の刷毛状陰影・花房状陰影(brushing)多発性結石(腎石灰症)が特徴的とされる。
症例 30歳代男性 海綿腎

SPONGE KIDNEY CT findings

両側に腎杯部から乳頭部の拡張及び石灰化あり。海綿腎の所見。

この症例のCT画像を見て見る→海綿腎のCT所見

症例 30 歳代の男性。検診で顕微鏡的血尿

SPONGE KIDNEY

放射線科診断専門医2012年48番より引用。

KUBで軽度石灰化ありか。
排泄性尿路造影で、腎杯の拡張が目立つ。花弁状。海綿腎を疑う所見。

  • CTでは腎石灰沈着症、腎結石を両側に認めるのが特徴。しばしば集合管内に石灰化を伴い錐体部(乳頭)に石灰化を認める。
  • ただし、非対称性で区域性の石灰化を認めることが多い。つまり、乳頭(集合管)のすべてに石灰化を認めることもあるが、一部に限局することもある。また結石に大小の差がある。
腎の石灰化を見たときは、皮質・髄質・腎盂腎杯のどこに石灰化を認めるかで鑑別する。海綿腎は広義の髄質に認める。
参考記事)→腎実質内の石灰化の鑑別

※同じ髄質石灰化をきたす副甲状腺機能亢進症、尿細管アシドーシスではびまん性の石灰化を認める。

  • エコーではechogenic medullaと呼ばれる腎髄質のエコー輝度上昇を認める。
    ※echogenic medullaは海綿腎のほか、慢性腎炎でも見られる。
  • 治療は結石症と感染に対する治療を行う。
  • 海綿腎を伴う病態には、片側肥大症/Beckwith-Wiedemann症候群、Ehlers-Danlos症候群/副甲状腺機能亢進症、先天性肥厚性幽門狭窄がある。

参考)

Eur J Radiol 12:104-107,1991
知っておきたい泌尿器のCT・MRI P118-119



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