肥大性骨関節症(Hypertrophic osteoarthropathy)

指骨や中節骨多発性に骨膜反応をきたす疾患で、最多。

ばち指・関節痛・骨膜炎を三徴とする。

骨膜反応は四肢長管骨の骨幹に生じ、手指に起こることは少ない。

肺癌患者で最もよく見られるが、気管支拡張症、消化管疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)、肝疾患などの他の多くの疾患でも報告あり。

肺癌患者の0.2-0.7%に見られる。進行度の高い肺癌に多い。

・肺腫瘍摘出や放射線治療により疼痛が消失することあり。

・原因は不明だが、成長ホルモンとの関連が疑われている。

・骨シンチで長管骨皮質への線状、対称性の集積亢進所見を認め、Linear cortical sign、Pericortical signと呼ばれる。この所見は肥大性骨関節症のほか、GSH産生肺癌でも見られる。

手足の多発性骨膜反応の鑑別

  • 肥大性骨関節症
  • 皮膚骨膜肥厚症(pachydermoperiostosis)
  • 甲状腺性肢端症(thyroid acropathy)
  • 静脈うっ血
  • 外傷
症例 50歳代男性 肺癌

Hypertrophic osteoarthropathy1

骨皮質への線状、対称性の集積亢進所見を認め、肥大性骨関節症を疑う所見。

 

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