Sponsored Link

原発性硬化性胆管炎(PSC:primarysclerosing cholangitis)

  • 原因不明の胆管の慢性炎症性疾患。
  • 胆嚢壁の線維性肥厚とそれに伴う胆管内腔の狭窄を来す。
  • 自己免疫疾患をしばしば合併し、血液生化学検査で高頻度に免疫学的異常所見や自己免疫抗体を認め、免疫学的機序の関与がいわれている。
  • 家族内発生の報告あり、種々のHLAタイプ(typeⅡ-B8 or DR3など)との関連が明らかにされている。
  • 40歳前後に多く、2:1で男性に多い。2次性胆管炎を除外した上で診断される。
  • 早期には特徴的な症状なし。発熱、寝汗、体重減少、右上腹部痛、肝腫大、間欠的黄疸、脾腫、皮膚色素沈着に始まり、黄疸、肝不全、門脈圧亢進による諸症状や骨粗鬆症、胆道結石などの合併症を生じる。
  • また、10-15(6-30)%に胆管癌を合併するとされる。(PSCは胆管癌、PBCはHCCの発生母地)
  • 54-100%に炎症性腸疾患を合併、特に潰瘍性大腸炎の合併(その90%)が多いとされるが、通常のUCとは違い右側結腸での症状が顕著となる。その10%にはCrohn病を合併するとされる。
  • 治療抵抗性で進行性の経過を取り、肝硬変から肝移植が必要となることのある予後不良な疾患。
  • 確定診断後予後9-17年程度。
  • 自己免疫性膵炎に合併した胆管炎とPSCでは臨床像が異なる。

こちらもどうぞ→原発性硬化性胆管炎(PSC)の診断方法や治療方法について!分かりやすくご説明

PSCの診断基準(Mayo clinic)

①典型的な胆道造影所見(部位は問わない)
②臨床所見*1および生化学所見*2の存在。
*1:炎症性腸疾患の既往、胆汁うっ滞
*2:少なくとも2ヶ月以上持続するアルカリホスファターゼの正常上限の2-3倍以上の上昇
③2次性硬化性胆管炎の除外。
*AIDSによる胆管炎、胆道系悪性腫瘍、胆嚢摘出術以外の胆道系手術の既往がないなど。

 

PSCの画像所見

  • 肝内・肝外胆管の多発狭窄・硬化像を呈する。
内視鏡的逆行性胆管造影(PTC)やMRCP
  • 狭窄と拡張が交互に繰り返す数珠状変化(beaded appearance)
  • 肝外胆管の狭窄と狭窄の間に造影剤が憩室様に溜まる憩室様突出(diverticulum-like outpouching)
  • 胆管像の毛羽立ち像(shaggy sign)

※内視鏡的逆行性胆管造影より空間分解能に劣り、微細な胆管不整像はとらえられない。

Sponsored Link

症例 10 歳代後半の男子。肝機能障害の精査を目的に紹介受診した。既往に潰瘍性大腸炎がある。

psc

2016年放射線科診断専門医43より引用。

MRCPにて狭窄と拡張が交互に繰り返す数珠状変化(beaded appearance)あり。PSCを疑う所見。

症例 50 歳代の男性。潰瘍性大腸炎の経過観察中。

PSC2014年放射線科診断専門医試験問題45より引用。

MRCPにて胆管の多発狭窄(数珠状)、限局性拡張あり。潰瘍性大腸炎もあり原発性硬化性胆管炎(PSC)を疑う。

CT
  • 同様の胆管所見に加えて、壁肥厚、壁濃染所見が見られる。

*胆管狭窄の範囲が短いことがあり、band-like strictureと呼ばれる。ただし、限局している場合は胆管癌との鑑別は困難。

*長期経過例では、尾状葉や内側区域(肝門側)が腫瘤状に腫大し、特徴的な変形を来す。ただし、慢性的な胆汁うっ滞の結果であり、特異的所見ではない。

簡単に・・・

CTでは、

  • 胆管壁肥厚、濃染あり
  • 周囲肝実質に淡い濃染あり
  • 早期相で肝の不均一な濃染

MRCPでは、

  • 胆管の多発狭窄、限局性拡張

これらの所見は他の胆管炎と大差ない。画像で区別は困難である。

 

Sponsored Link

 

関連記事はこちら