Sponsored Link

椎体骨転移の特徴

  • 特に胸腰椎に多い。頸椎の頻度はやや少ない。
  • 転移巣は椎弓などの後方成分よりも椎体に好発する。なかでも椎体の後方にまず転移巣を作り、腫大し、椎弓根など後方成分へ浸潤をする。
症例 70歳代女性 肺癌 骨転移

bonemeta

椎体の後方成分に骨硬化像あり。

それが腫大して椎弓根など後方へ進展していく様子がわかります。

  • 片側あるいは両側椎弓根破壊は椎弓根徴候(pedicle sign)と呼ばれ、転移を強く示唆する所見であるが、これが見られたときには浸潤はかなり広がっている。
症例 70歳代男性 肺癌の多発椎体骨転移

vertebonemeta

Th12にT2WIで低信号の腫瘤性病変あり。

椎体左後方から椎弓根に認めており、骨転移を疑う所見です。

動画でチェックする
なぜ椎体の後方に転移巣を作りやすいか?
  • Batson静脈叢と密に連続するbasivertebral veinは、椎骨への血行性転移の主な経路で、背側に位置する。
  • そのため、椎体の前方よりも後方部分に転移が生じやすい機序となっている。

転移性骨腫瘍のMRI所見

撮影条件 intensity
T1強調像 low
T2強調像 high-さまざま
STIR/脂肪抑制T2強調像 high(T2WIより捉えやすい)
T1強調像造影Gd 増強

成人の椎体骨髄は多量の脂肪を有しているため、T1強調像では明瞭なコントラストとなるが、T2強調像ではコントラストは一定でなく、腫瘍の区別がつかないこともある。STIR(fsT2WI)の方がまだ捉えやすい。

症例 上記と同じ症例

vertebonemeta1

T1強調像で低信号、T2強調像で淡い低信号、STIRで高信号を示しています。

多発骨転移を疑う所見です。

STIRで高信号を認めた場合、圧迫骨折の場合は新旧の鑑別に用いられます(STIRで高信号を示す圧迫骨折は急性期の圧迫骨折)が、転移の場合は、新旧関係なく高信号を示すので注意が必要です。

鑑別にあたり注意する事

  • 年長者では、椎体骨髄が著明に不均一となることがある。
  • 慢性貧血患者では、骨髄内の鉄の含有量が増加するため、大部分のシークエンスで骨髄は低信号となる。
  • 小児の脊椎は赤色髄によりT1強調像で低信号となるため腫瘍の検出が難しい。T2強調像では、病変が高信号となり、明瞭となる(flip-flop sign)。
  • 骨転移巣と正常赤色髄の鑑別点としては, T1強調像で低信号領域内に複数の高信号域(脂肪に近い)を認める場合には“bull‘s eye sign”と呼ばれ、正常赤色髄を示す所見である。T2強調像で病巣周囲に高信号域を認める場合(halo sign)は、転移を示唆する所見である。

骨粗鬆症に伴う圧迫骨折との鑑別診断

MRIでの鑑別の5ポイントまとめ

病的骨折(転移) 圧迫骨折(機械的)
①椎体背側面の形 背面に凸 直線状
②T1で正常isoと異常lowが混在する場合 椎間板に垂直・平行など 椎間板に平行
③後方要素への進展 高頻度 なし
④周囲への進展 時にあり なし
⑤液体徴候(fluid sign) 高頻度(40%)

CT(MPR)での鑑別

病的骨折(転移) 圧迫骨折(機械的)
・皮質の破壊・海綿骨の破壊

・終板の破壊

・椎弓根の破壊

・皮質の骨折線・海綿骨の骨折線

・骨硬化

・椎体内ガス(vacuum phenomenon)

その他の鑑別点

以下の場合は転移を考慮

  • 頸椎の病変の場合(骨粗鬆症では稀。)
  • 椎体全体の圧排(骨粗鬆症の圧壊は椎体前方2/3に見られ、後方部分は保たれることが多い。)
  • 椎体全体に硬化像(ivory vertebra):前立腺癌>悪性リンパ腫、骨髄腫、Behcet病。
その他
  • 胸骨に骨破壊性変化を見た場合には転移を考える必要があり、特に乳癌患者では、胸骨病変は単発であっても80%が転移である。
  • 長管骨では最初に骨髄腔に転移が生じ、引き続き骨皮質が破壊される。頻度は低いが特徴的な所見としては、栄養血管孔付近の骨皮質に小さな骨透亮像/破壊像を認めることや、骨皮質の表面にクッキーをかじったような骨破壊像を認めること(cookie-bite sign)があり、肺癌が原発巣であることが多い。
骨転移の変わった所見
  • T1WI↓ T2WI↑・・・通常の骨転移
  • T1WI↓ T2WI↓・・・造骨型(前立腺癌、乳癌)
  • T1WI↓ T2WI↑↑・・・mucin産生
  • T1WI↑ T2WI↑・・・悪性黒色腫(メラニン含有による)
  • T1WI→ T2WI↑・・・HCC、RCC(脂肪あるいは出血のためにT1で中等度の信号。)
  • 大きな骨外進展・・・肝細胞癌
  • flow void・・・腎細胞癌

これらを原発巣の推定に役立てる。

症例 80 歳代の女性。2 カ月前から腰痛と下肢筋力低下が出現。

vacuum phenomenon

2013年放射線科診断専門医試験問題9より引用。

L3に圧迫骨折あり、背側に凸の形態をしています。

内部にT2WIにて高信号を呈する液体貯留あり(CTやレントゲンでは椎体内にガスがあるように見える)いわゆる、fluid兆候やvacuum phenomenonであり、骨壊死を伴う椎体骨折を疑う所見。

転移ではなく、機械性圧迫骨折の疑い。

参考)藤本肇先生の講義、画像診断,32:51-70,2012

Sponsored Link

 

関連記事はこちら