ランゲルハンス細胞組織球症(Langerhans cell histiocytosis(LCH))

  • Langerhans cellの非腫瘍性増殖(肉芽腫形成性免疫反応)。従来histiocytosis Xといわれた。
  • 1〜15歳の小児に好発する(男>女)。
  • 病変は頭蓋骨を含めたに好発するが(83%)、皮膚、リンパ節、胸腺、耳、骨髄・末梢血、肝、胆嚢、脾、肺、内分泌腺、消化管などにも生じ、中枢神経系病変は10〜50%の患者で認められる。
  • 病気に応じて椎体は種々の程度に圧潰するが、完全に扁平化することもある(Calve扁平椎、vertebra planaと呼ばれる。)。
  • 中枢神経系では視床下部下垂体系に好発し、尿崩症(22〜50%)成長障害を来す。尿崩症が初発症状のこともある。
  • CD1aに特異的に染色反応をする。組織球が免疫染色でCD1a陽性または電子顕微鏡で Birbeck穎粒と呼ばれる特殊な構造を持っていると診断は確定。
  • 主に3つに分けられる。

好酸球性肉芽腫(eosinophilic granuloma)

  • 成人男子、喫煙者の肺病変
  • 骨病変(頭蓋骨、骨盤、肋骨、腸管骨)
肺好酸球性肉芽腫症/肺Langerhans細胞組織球症
  • 20~30歳代の男性、主訴は咳嗽、喀痰。
  • 90%に喫煙歴を有する。
  • 上中肺野優位のいびつな形の嚢胞(厚壁〜薄壁、円形〜いびつな形状、空洞形成、結節、小葉中心性の粒状影。
  • 好酸球とLangerhans組織球からなる肉芽腫の形成を病理学的特徴とする。
  • 禁煙のみで軽快することが多い。
  • まれに急速に呼吸不全に陥る。

症例 20歳代男性 過去5年間、1日30本の喫煙あり。 呼吸困難、非咳嗽、倦怠感あり。

引用:radiopedia

間質肥厚と小さな結節が気道の周りに分布しており、両肺上肺野優位にさまざまなサイズ、形状、壁厚の嚢胞性病変を認めています。

肺好酸球性肉芽腫症/肺Langerhans細胞組織球症(LCH)と診断されました。

Hand-Schuller-Christian disease

  • 小児
  • 視床下部病変による尿崩症
  • 多発骨病変

Letterer-Siwe病

  • 急性に多発臓器に浸潤する。

LCHの頭蓋内病変

  • 中枢神経系では、視床下部下垂体系に好発する。
  • 尿崩症を来すと下垂体後葉のT1強調像での高信号が消失する。
  • 下垂体柄の腫大や腫瘤形成と増強効果を認めることもある。
  • 小脳歯状核や脳幹にT2WI高信号域が見られることあり。

ご案内

腹部画像診断を学べる無料コンテンツ

4日に1日朝6時に症例が配信され、画像を実際にスクロールして読影していただく講座です。現状無料公開しています。90症例以上あり、無料なのに1年以上続く講座です。10,000名以上の医師、医学生、放射線技師、看護師などが参加中。

胸部レントゲンの正常解剖を学べる無料コンテンツ

1日3分全31日でこそっと胸部レントゲンの正常解剖の基礎を学んでいただく参加型無料講座です。全日程で簡単な動画解説付きです。

画像診断LINE公式アカウント

画像診断cafeのLINE公式アカウントで新しい企画やモニター募集などの告知を行っています。 登録していただくと特典として、脳の血管支配域のミニ講座の無料でご参加いただけます。