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神経因性膀胱

・排尿は主に中枢神経の3部位により支配される。

[deco_bg image=”paper1″ width=””]①脳幹部にある橋の排尿中枢(協調)
②S2-4にある排尿中枢(反射)
③大脳皮質(抑制)[/deco_bg]

・排尿障害のBors-Comarr分類では、S2-4より上位(橋と仙骨排尿中枢の間)での障害による上位運動ニューロンの障害と、S2-4以下の神経根の障害による下位運動ニューロン障害、およびその混合型に分類されている。

上位運動ニューロン障害(橋と仙骨排尿中枢の間)

・橋より上位の病変は脳梗塞や多発性硬化症、動脈硬化などが原因となる。

・橋から仙髄の間の病変としては、外傷、脊髄損傷、多発性硬化症などが原因となる。脊髄病変としては、腫瘍や髄膜瘤、外傷など。

・上位運動ニューロン(橋と仙骨排尿中枢の間)が障害されると、痙攣性の排尿筋過反射による神経因性膀胱が起こる。排尿時に排尿筋と外尿道括約筋が同時に収縮(協調できなくなる)し、これを排尿筋外尿道括約筋協調不全(DESD:detrusor-external sphincter dyssynergia)と呼ぶ膀胱内の尿は減少し、結果として収縮した膀胱になる。

・膀胱造影を行なうと、膀胱は垂直方向に伸び、肉柱形成により輪郭は不整で、憩室や上部尿路の拡張が見られる。この膀胱の形態をクリスマスツリー様膀胱(Christomas tree,pine tree)と呼ぶ。

症例 30 歳の男性。交通事故による脊髄損傷患者。

Christomas tree2005年放射線科診断専門医試験問題46より引用。

膀胱造影で膀胱は頭尾方向に進展あり。肉柱形成および憩室の形成により輪郭は不整である。クリスマスツリー様膀胱を疑う所見。左側には膀胱尿管逆流あり。

下位運動ニューロン障害(S2-4より下位の神経根の障害)

・末梢神経病変としては、手術による神経損傷などが原因となる。

・下位運動ニューロンが障害されると、弛緩性の排尿筋障害による神経因性膀胱が起こる。膀胱内の尿は増加して、結果として弛緩した膀胱となる。

・膀胱造影を行なうと、大きく緊満感のない膀胱となる。排尿時に排尿筋の収縮の所見を認めず、残尿を認める。二次性の膀胱壁異常を来し、肉柱形成、壁肥厚、憩室、上部尿路の拡張、膀胱尿管逆流に加えて、クリスマスツリー様膀胱(Christomas tree,pine tree)となる。したがって、所見では、上位運動ニューロンとの区別はできない

知覚神経障害

・糖尿病や悪性貧血、脊髄癆などにより知覚神経が侵されると、大きくて平滑な無緊張の膀胱となる。

症例 70歳代男性 腰髄損傷

Neurogenic bladder1

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