進行性多巣性白質脳症(PML:progressive multifocal leukoencephalopathy)

  • JCウイルスによる日和見感染。オリゴデンドロサイトに感染して脱髄を起こす。
  • 特にHIV陽性患者で、U-fiberを含む白質病変を認めたら、PMLを考える。
  • CD4<50(/μL)で起こりやすいが、>200でも、ART中でも起こりうる。
  • HIV陽性以外に、リンパ腫、白血病、免疫抑制剤使用例(リツキシマブ、ナタリズマブ、エファリズマブ)などに合併する。
  • T1WIで低信号を呈する点は特徴である。
  • 免疫再構築により一過性に増悪し、造影効果を呈したり、腫瘤性病変を呈することがある。予後は非常に不良であるが、
  • HIV例では強力な抗HIV療法により予後の延長例もある。
  • 鑑別診断はHIV脳症、悪性リンパ腫、トキソプラズマ、CJD、エオジン好性核内封入体病。

PMLの画像所見

  • 病変は皮質下白質から深部白質へ進展し、進行とともに萎縮する。皮質下U-fiberを侵す。非対称性。皮質下に沿った信号をscalloped appearanceと呼んだり、広範な皮質下のT2WI淡い高信号+多数の分離した高信号をMilky way appearanceと呼ぶことがある。
  • T1WIで低信号(脱髄)が特徴的。T2WIで高信号。
  • DWIでは辺縁に高信号を認める。
  • 原則として、造影効果やmass effectはない。
  • 免疫再構築により一過性に増悪し、増強効果がみられることもある。

症例 30歳代男性 2か月にわたる進行性の左上下肢の衰弱。 HIV陽性でART療法を受けている

右前頭頭頂白質に広範に信号異常(T2WI高信号、T1WI低信号)を認めます。

異常信号はU-fiberに及ぶが皮質は保たれています。

また造影効果は認めていません。

典型的な進行性多巣性白質脳症(PML)を疑う所見です。

JCウイルスが検出されました。

引用:radiopedia

参考文献:Jpn J Radiol . 2009 Feb;27(2):69-77.

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