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2013年放射線科診断専門医試験問題&解答解説【71-75】

問題原本はこちらからご覧下さい。

71, 

50 歳代の男性。肝受容体シンチグラムを示す。正しいのはどれか。2 つ選べ。
a 脾腫がみられる。
b 急性胆囊炎が疑われる。
c 肝予備能は正常である。
d 総胆管通過障害が疑われる。
e 肝左葉外側区は腫大している。
71, c→a,e

・受容体シンチとはアシアロシンチ 99mTc-GSAのこと。肝予備能の評価が可能である。

脾臓には集積されないのでaは×。集積はされないがプーリングされた脾腫を見ている可能性あり。

肝機能障害
→心臓に停滞して、肝に取り込まれない。
→心での集積↑、肝での集積↓ という機序。

心臓への集積は3分と15分で半分程度にwash outされており、正常か。→3分の時点で心臓に著明な集積を認めており、肝障害がある。これで「予備能は正常である」と、言っていいのか?

この問題のやり取りはしたのコメント欄も参照ください。放射線科医先生、ありがとうございました。

・dはPMT肝胆道シンチで評価するのではないか。bは関係ないと思われる。


 

72,

50 歳代の女性。黄疸を主訴に来院した。99mTc-PMT 胆道シンチグラム(5,10,30,60,120,240 分後像)を示す。描出の遅延を認める部位はどれか。1 つ選べ。
a 肝実質
b 肝内胆管
c 胆囊
d 総胆管
e 消化管
72, e

・30分待っても、60分待っても、120分待っても、腸管の描出がされていない。総胆管は微妙だがやや見えている。

・正常では、静注3~5分後に肝、10~20分で胆嚢・総胆管、10~60分後に腸管へ排泄される。大まかに20分で総胆管と覚える。


 

73,

60 歳代の女性。左耳下部のしこりを主訴に来院した。99mTcO4-唾液腺シンチグラムを示す。可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。
a 唾石症
b 神経鞘腫
c 多形腺腫
d Warthin 腫瘍
e 悪性リンパ腫
73, d
99mTcO4-

・唾液腺、甲状腺、胃粘膜などに集積。

・唾液腺シンチグラフィ-多くの腫瘍は欠損像となるが、Warthin腫瘍は強い集積を示す。(Warthin腫瘍はFDGも良好な集積を示す。)

・FDG集積を示す唾液腺腫瘍を見たら、99mTcO4-唾液腺シンチを追加して良悪性を判断=Warthin腫瘍を除外する。

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74, 

50 歳代の女性。腎結石で来院し,血液検査で高カルシウム血症を認めた。骨シンチグラムを示す。可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。
a 骨軟化症
b 悪性リンパ腫
c 転移性骨腫瘍
d 多発性骨髄腫
e 副甲状腺機能亢進症
74, e

・顔面骨、胸骨、椎体を中心に集積著明。一方四肢にはあまり集積がない。腎の集積もない。beautiful bone scan。びまん性骨転移でも見られるが、今は高カルシウム血症あり、癌の既往も記載ない。副甲状腺機能亢進症が疑われる。

骨軟化症

・偽骨折の多発が見られる。
・全身的な骨集積の亢進が見られることもある。

副甲状腺機能亢進症

・全身骨に集積亢進を認め、転移と異なり四肢骨の集積も強くなる。
・特に、頭蓋、顎骨、椎骨に目立つ。
・肩部、椎骨、骨盤、長管骨での集積が増加することも、しばしば認められる。
・ただし、シンチグラフイ上は約8割で正常像を示し、ある程度進行した状態ではじめてシンチグラフィ上の異常が出現する。
・進行すると、brown tumorが発生することがあり、シンチグラフィは検出に有用。

多発性骨髄腫

・骨髄腫自体は通常集積欠損を示すが、集積を認めることもある。
・病的骨折を伴いやすく、その場合は高集積となる。

参考)beautiful bone scan(super scan)

椎体、骨盤、肋骨、大腿骨など体幹骨を中心にびまん性の集積増加を認め、腎臓への 生理的集積は消失する。


 

75,

70 歳代の男性。高血圧を主訴に来院した。123I-MIBG シンチグラムと腹部造影 CT を示す。可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。
a 副腎癌
b 神経線維腫
c カルチノイド
d インスリノーマ
e パラガングリオーマ
75, e

・副腎ではなくて、腎門部レベルでIVCの右側に造影効果を有する腫瘤あり。

123I-MIBG が集積するのは、神経芽腫、カルチノイド、褐色細胞腫、甲状腺髄様癌。

paraganglioma(傍神経節腫)

・褐色細胞腫の多くは副腎髄質に発生するが10~20%は副腎外にも発生し paragangIioma(傍神経節腫)と呼ばれる。

・好発部位は副腎周囲が最多。次いで、大動脈分岐部(Zuckerkandl小体)、膀胱、縦隔、心などに発生。

・CTなどの他の検査法の検出は困難なことが多く、131I-MIBGによる全身検索が特に有用。

・家族性の発生、傍神経節腫・胃の平滑筋肉腫・肺の軟骨腫の合併はCarneyの三徴と呼ばれる。

・治療法は外科的切除。

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