2013年放射線科診断専門医試験問題&解答解説【61-65】

問題原本はこちらからご覧下さい。

61,

40 歳代の男性。腹痛を主訴に来院した。超音波検査にて膵腫瘤が指摘され精査となった。腹部 CT と腹部 MRI を示す。可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。
a pseudocyst
b lymphoepithelial cyst
c serous cystic neoplasm
d solid pseudopapillary neoplasm
e intraductal papillary mucinous neoplasm
61, b?

・膵体部に連続し、膵外に突出する低吸収腫瘤影あり。cystは複数ありか。造影にて隔壁に造影効果あり。T2WIでは著明な高信号。T1WIでは一部低信号。

・eは主膵管との交通はっきりしない。dは男性だし出血や石灰化なし。

・cyst on cystはcによく見られる所見。(cyst in cystはMCN)中心部の線維性瘢痕は認められない。

・bでもcでも矛盾しないように思われる。男性で、膵外に突出しているところからbを選ばせようとしているのか、T2WIで著明な高信号からcを選ばせようとしているのかわかりません。cならもう少し染まってもよいか・・?

参考)
膵リンパ上皮嚢胞の画像診断
膵槳液性嚢胞腺腫(SCN)の画像診断


 

62,

ある疾患の胃二重造影像と内視鏡像(インジゴカルミン散布後)を示す。
本疾患について誤っているのはどれか。1 つ選べ。
a H. pylori 陽性である。
b 胃癌の高リスク群である。
c 高度な萎縮性胃炎を伴う。
d 10~30 歳代の女性に多い。
e リンパ濾胞の過形成がみられる。
62, c

・いわゆる鳥肌胃炎。

鳥肌胃炎

・若年女性に多い。
・鳥肌は上部消化管内視鏡で使われる用語。
・病理組織学的には、粘膜固有層のリンパ濾胞の増生。
・H.pylori感染あり。
・胃癌のリスク群である。特に未分化胃癌。→鳥肌をみたら早期除菌治療が望ましい。

参考)http://www.pariet.jp/alimentary/vol54/no556/sp11-01.html


 

63,

60 歳代の男性。腹部大動脈瘤に対し,ステントグラフト内挿術を施行した。2 年後の経過観察で腹部CT が施行され,瘤径の拡大がみられた。単純 CT と造影 CT を示す。
治療法として最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
a バイパス手術
b ステントグラフトの追加
c ステントグラフトの抜去
d 経カテーテル動脈塞栓術
e バルーンカテーテルによる圧着
63, b→d

・ステントグラフト留置あり。グラフト外に造影効果を呈するリークあり。

 

2017年6月16日追記

ただし、グラフトとの連続はなく、TypeⅡのエンドリーク(大動脈の分枝からの動脈瘤内への逆流をする血流を見ていると考えられる)が疑われます。

この場合、経過観察もしくは経カテーテル動脈塞栓術となる。

参考)大動脈ステントグラフト治療の大敵:エンドリーク

S先生ありがとうございました!!

 

 

ステントグラフトの合併症
  • 手技により血管損傷、不十分な固定、グラフトの損傷。
  • 脊髄虚血
  • エンドリーク
エンドリーク
  • ステントグラフトと大動脈瘤壁の間のスペースに血流が入り込む現象のことで、一般に4型に分けられる。
  • 10%前後の症例で認められる。放置すれば破裂する場合あり。
  • 認められた場合は、血栓形成を促したり、追加のステントグラフトを挿入したり、外科的手術が行なわれる。
参考)腹部大動脈ステントグラフトの適応
  • 腹部大動脈瘤
  • Aortoiliac型の動脈瘤
  • 腸骨動脈瘤
  • 外傷による腹部大動脈損傷
  • 感染性大動脈瘤

64, 

40 歳代の女性。臍下部痛を主訴に来院した。造影 CT と MRI を示す。
病変の主座として考えられるのはどれか。1 つ選べ。
a 大網
b 腹膜
c 腹直筋
d 尿膜管
e 臍動脈索
64, d

・尿膜管洞あり。膿瘍形成を疑う所見あり。

参考)尿膜管遺残の画像診断


 

65,

30 歳代の男性。1 週間前から感冒様症状が出現し,意味不明な言動,38℃ 台の発熱を認めたために来院した。脳血流 SPECT を示す。可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。
a 脳梗塞
b Wernicke 脳症
c 側頭葉てんかん
d 単純ヘルペス脳炎
e Creutzfeldt-Jacob 病
65, d

・左の側頭極優位に血流増加あり。発熱あり。

脳血流が増加

  • 脳梗塞亜急性期(贅沢)
  • 脳塞栓の再開通時
  • 発作中のてんかん(発作後もしばらくは高集積が遅延することがある。)
  • 脳炎

脳血流が減少

  • 脳梗塞(ただし亜急性期以外)
  • 脳出血
  • 左(右)被殻出血時の右(左)小脳
  • 発作間欠時のてんかん

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