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2013年放射線科診断専門医試験問題&解答解説【51-50】

問題原本はこちらからご覧下さい。

51, 

30 歳代の女性。上腹部痛を主訴に来院した。幼少時から年に数回,同様な腹痛を認めている。MRCP を示す。本疾患に合併する頻度の高い疾患として誤っているのはどれか。1 つ選べ。
a 膵炎
b 胆囊癌
c 胆管癌
d 乳頭部癌
e 総胆管結石
51, d

・総胆管の著明な拡張あり。膵胆管合流異常。

膵胆管合流異常

・共通管の長さが15mm以上とする基準あり。
・若年発症の膵炎では必ず考慮する。
・先天性胆道拡張症を認めた場合も必ず考慮。
・胆道系悪性腫瘍合併が多い。
・胆管拡張症や、胆管結石、膵炎の原因にもなる。
・胆管拡張あり→胆管癌
・胆管拡張なし→胆嚢癌 の合併が特に多い。


 

52,

9 カ月の乳児。不機嫌になるとともに便に血が混じるようになり,母親に伴われ来院した。上腹部に腫瘤を触知する。腹部超音波像を示す。対処として適切なのはどれか。1 つ選べ。
a 経過観察
b イレウス管挿入
c 高圧浣腸
d 内視鏡整復術
e 緊急手術
52, c

・腸重積。高圧浣腸にて治療する。

参考)腸重積の画像診断


 

53,

40 歳代の男性。人間ドックの超音波検査にて異常を指摘され精査となった。腹部 CT を示す。可能性が高いのはどれか。2 つ選べ。
a 肝包虫症
b 肝放線菌症
c 前腸性肝囊胞
d 間葉性過誤腫
e 胆管内乳頭状腫瘍
53,a,b

・壁の石灰化を有する多房性嚢胞性病変。

・間葉性過誤腫は小児の稀な良性腫瘍。月齢18-24ヶ月の幼児に多い。線維化を伴った充実部位が優位なものから多房性嚢胞性腫瘤の形態まであり。

・胆管内乳頭状腫瘍(IPMB)は、膵のIPMNの胆管version。膵同様に主膵管の拡張を伴ったり、ぶどうの房状の多房性嚢胞性病変の形態を呈する。今回の症例では、ぶどうの房状よりはみかんを切った形態であり、IPNBよりは粘液性嚢胞腫(MCN)の方が疑わしいが、選択肢にはMCNはない。

肝包虫症(肝エキノコックス症)

・単包虫症/多包虫症の幼虫によるヒトへの感染。
・明瞭は壁を有する単房性もしくは多房性嚢胞性。
・10%に石灰化あり。
・単包虫症では曲線状輪状石灰化が見られる。

肝放線菌症

・腹部放線菌症の15%、ほぼ全例がActinomyces israelii
・男女比 7:3、平均年齢 44.4歳(4-85)
・腹部手術、アルコール多飲、胆道系疾患、口腔内不衛生、免疫抑制状態、糖尿病、IUD、薬物乱用、消化性潰瘍が危険因子。
・症状は、発熱、腹痛、体重減少、肝腫大、黄疸。
・画像では、CTでは典型的には厚いリング状の造影効果を伴う低吸収。
・MRIでは典型的にはT1強調像で低信号、T2強調像で高信号を呈する。

肝内石灰化をきたす病変

・肝包虫症(肝エキノコックス症)
・肝内胆管結石
・門脈石灰化
・肝動脈瘤石灰化
・肝膿瘍
・肝被膜下血腫
・肝結核
・肝サルコイドーシス
・肝梅毒
・ブルセラ病
・肝放線菌症
・ヒストプラスモーシス
・肝血管腫
・単発性・多発性嚢胞
・トロトラスト肝
・原発性肝癌
・胆管癌
・転移性肝癌(大腸癌、神経芽細胞腫、乳癌、卵巣癌など)

異常石灰化を伴う腹部腫瘤

・胆石胆嚢炎
・胃癌
・黄色肉芽腫性腎盂腎炎
・神経芽細胞腫
・消化管粘液産生癌
・肝包虫症(肝エキノコックス症)
・子宮筋腫
・卵巣類皮嚢腫
・卵巣嚢胞腺腫、嚢胞腺癌
・膵漿液性嚢胞腺腫など

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54,

50 歳代の男性。前医で施行された超音波検査にて肝腫瘤を指摘され,精査を目的に来院した。ダイナミック CT を示す。可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。
a 転移性肝癌
b 海綿状血管腫
c 進行肝細胞癌
d 血管筋脂肪腫
e 限局性結節性過形成
54, d?

・ベースに肝障害あり、単純で低吸収、早期濃染され、washoutあり。内部に脂肪を疑う低吸収域あり。
・HCCでもよさそうだが、進行肝細胞癌と言われると!?

・進行肝細胞癌とは多段階発癌の最終形であり、低分化型のものを指すよう。つまり、古典的なHCC。
・被膜を持ち、モザイクパターンで、早期濃染されwashoutされる。
・高頻度に門脈浸潤し、腫瘍塞栓をきたす。

・ということを踏まえると、進行肝細胞癌といっていいのか疑問。被膜ぽく見える所もあるけども…。


 

55,

70 歳代の男性。血尿を主訴に来院した。骨盤部 MRI を示す。
病変の組織型として可能性が高いのはどれか。2 つ選べ。
a 腺癌
b 腺肉腫
c 癌肉腫
d 扁平上皮癌
e 尿路上皮癌
55, a,e

・膀胱前壁に膀胱内外へ突出する腫瘤性病変あり。膀胱外浸潤あり。膀胱癌では最多の尿路上皮癌と、場所から尿膜管癌(腺癌)を考える。扁平上皮癌は3番手まで。

 膀胱扁平上皮癌

・移行上皮癌に次いで多い。
・慢性感染と関連あり。
・局所もしくはびまん性肥厚性病変を形成し、移行上皮癌よりも広範に進展、膀胱外浸潤を伴う事が多い。

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