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2013年放射線科診断専門医試験問題&解答解説【41-45】

問題原本はこちらからご覧下さい。

41, 

学童期の女児。左頸部の圧痛と腫脹を主訴に来院した。血液検査で炎症所見を認める。過去にも同様な所見があり抗生剤にて軽快したことがある。造影 CT と症状改善後の食道造影写真を示す。可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。
a 梨状窩瘻
b 咽後膿瘍
c リンパ管腫
d 正中頸囊胞
e 横紋筋肉腫
41, a

・左梨状窩瘻あり。甲状腺左葉へ連続し、膿瘍形成あり。

梨状窩瘻

・急性化膿性甲状腺炎の原因となる先天奇形。
・第3、4鰓裂が関連している。
・多くは左にできる。
・梨状窩から甲状腺への瘻孔により甲状腺炎を生じ、腫瘤を形成する。
・新生児期から成人まで発症。


 

42,

新生児。呼吸状態が不良で精査となった。胸部 X 線写真正面像を示す。
可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。
a 横隔膜弛緩症
b 先天性肺低形成症
c 先天性肺葉性肺気腫
d 先天性肺気管支奇形
e 先天性横隔膜ヘルニア
42, e

・左肺に腸管のガス像あり。

先天性横隔膜ヘルニア

・横隔膜の欠損部位から腹腔臓器が胸腔内に脱出する奇形がある。
・3000-4000人に1人。左9割と左に多い。
・肺低形成の原因となる。
・出生早期より呼吸障害。
・治療は緊急手術。
・予後因子として、肺低形成、肺高血圧、大血管奇形、染色体異常。


 

43,

1 歳の男児。歩く際に右足をかばうようになった。右下腿部の単純 X 線写真を示す。
可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。
a 若木骨折
b 膨隆骨折
c 骨幹端骨折
d 成長板損傷
e よちよち歩き骨折
43,e

・よちよち歩き骨折(Toddler‘s fracture)は脛骨遠位部に生じるらせん骨折。

よちよち歩き骨折(Toddler‘s fracture)

・1-3歳に起こる。
・明確な病歴がないのに急に歩行障害をきたす。
・脛骨の遠位骨端部に尾側、内側に走る転位のないらせん骨折。
・単純レントゲンでは同定できないことも多い。ので見逃されやすい。
・脛骨以外では、腓骨、大腿骨、中足骨、踵骨、恥骨、膝蓋骨など。

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44,

70 歳代の女性。超音波検査で卵巣腫瘤が疑われ精査となった。CT と MRI を示す。
可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。
a 甲状腺腫
b 皮様囊腫
c 内膜症性囊胞
d 粘液性囊胞腺腫
e 漿液性囊胞腺腫
44, d?

・卵巣にCTで高吸収な腫瘤あり。T1WI、T2WIで同部位は低信号。多房性嚢胞あり。造影にて軽度造影効果あり?。壁はよく染まっているが内部の造影効果はいまいち。

・甲状腺腫ならもっと染まるはず。

卵巣甲状腺腫strumaovarii

・奇形腫全体の2.7%と稀。
・閉経前の中年女性に好発(平均44歳)
・ほとんどが良性。
・ホルモンを産生し、甲状腺機能亢進症を生じる頻度は低い。
・CTではヨード含有を反映し高吸収を呈する。
・いわゆるstained glass appearanceを示す。
・甲状腺コロイドを反映し、T1WI低〜軽度高信号、T2WI低信号、単純CTで高吸収(ヨードを含有するため)。
・単純CTで高吸収を示し、比較的頻度の高い石灰化と合わせ、診断の鍵となることがある。

T2WIで低信号を呈しうる卵巣腫瘍
・線維腫 Fibroma
・Fibrothecoma
・Brenner腫瘍(充実部優位、遅延性の淡い増強効果、ホルモン産生や石灰化を呈するものあり)
・腺線維腫/嚢胞腺線維腫 (adenofibroma/cystadenofibroma)
・Sclerosing stromal tumor (充実部は不均一、早期濃染)
・卵巣甲状腺腫(Struma ovarii)(CTで高吸収、ゲル状内容物には増強効果なし)
・転移性腫瘍 Krukenberg tumor(軽度低信号、充実部は不整、壊死を伴う)
・内膜症性嚢胞 (T1WI高信号、shading)
・境界悪性嚢胞性腫瘍/嚢胞腺癌(厚い隔壁、乳頭状結節、卵巣を超えて進展)
・悪性リンパ腫

 

45,

50 歳代の女性。大腸癌術後に肝腫瘤を指摘された。MRI の T2 強調像と SPIO(ResovistⓇ)投与前後の T1 強調像を示す。可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。
a 肝囊胞
b 肝血管腫
c 肝細胞癌
d 転移性肝腫瘍
e 限局性結節性過形成
45,b

・肝辺縁にT1WIにて低信号、T2WIにて高信号、SPIO造影2分では造影効果ないが、10分後には造影効果あり高信号になっている。下記のように、SPIO造影後のT2WIで高信号になることが、kupffer細胞がない事を意味するが、今回はT1WI。

・血管腫では、SPIO造影後、T1WIで信号上昇が特徴的。時間をかけてゆっくり染まる血管腫ということか。

・EOBでは注入する造影剤量がそもそも少ないので、血管腫の染まりが描出されないことがあるので注意。

SPIO

・kupffer細胞に取り込まれる。
・kupffer細胞が豊富に存在する正常肝細胞では信号低下をきたす。
・kupffer細胞が存在しない中低分化型肝細胞癌や転移性肝腫瘍などでは造影後T2WIにて信号が低下せず、相対的に高信号になり、病変を同定できる。

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