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2011年放射線科診断専門医試験問題&解答解説【76-80】

問題原本はこちらからご覧下さい。

76, 

15 歳の男子。左心低形成症候群にて Fontan 手術後である。99mTc-HSA-DTPA シンチグラフィが施行された。可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。
a Crohn 病
b 回腸穿孔
c Meckel 憩室
d 結腸憩室炎
e 蛋白漏出性胃腸症
76, e

・早期から胃が描出されている。

・360分で、右下腹部に集積増加あり。99mTc-HSA-DTPAが胃から漏出し、小腸に流れ、 同腸末端に貯留したと考えられる。

・Fontan手術の遠隔期合併症として、蛋白喪失性腸症、慢性腎不全等がある。

99mTc-HSA(human serum albumin)-DTPA

・血管外への漏出が少なく血液がプールしている臓器、組織を検出することができ、心疾患のみならず、血行動態、血管病変の診断が可能。

消化管蛋白漏出

・消化管粘膜から管腔に蛋白が漏出する、そのため低タンパク血症を伴う。主訴は浮腫。

・蛋白漏出性胃腸症の診断は、a1-antitrypsin消化管クリアランス試験により、糞便中あるいは胃液中への蛋白の異常漏出を証明することが一般的であるが、99mTc-HSAにおいても診断が可能である。

・99mTc-HSAにDTPAを結合させた99mTc-HSA-Dや、111In標識transferrinが知られている。

・アルブミン製剤 99mTc;HAS, 99mTc-HAS-DTPA)がある。

・トランスフェリンもアルブミンと同様に漏出するため、トランスフェリンと結合する薬剤(111InCl3)も用いられる。

・前二者は、腎や膀胱の尿路器への生理的排泄も見られるが、後者は、消化管や腎、膀胱への生理的排泄が見られない。


 

77,

30 歳代の男性。精巣腫瘍の経過観察で施行された18F-FDG PET 全身像を示す。患者に対する適切な対応はどれか。1 つ選べ。
a IL2-R の測定
b 頸部および胸部 CT
c 頭頸部の腫瘍性病変の生検
d 精巣腫瘍マーカーの測定
e 特に検査の必要なし
77, e

・褐色脂肪組織への集積。


 

78,

70 歳代の女性。悪性リンパ腫と診断されたが,全身症状は認められなかった。皮膚,骨,肺,消化管,中枢神経に病変は指摘されていない。病期診断を目的に18F-FDG PETCT が施行された。Ann Arbor 分類の病期はどれか。1 つ選べ。
a Stage I
b Stage II
c Stage III
d Stage IVa
e Stage IVb
78,d

・横隔膜を超えてリンパ節に集積あり。

・脾臓、右副腎、皮下に集積あり。転移の疑い。脾臓にあってもⅢだが、右副腎にあるので、Ⅳ。今は症状がないのでⅣaとなる。

・StageⅢs以上。

Ann Arbor分類

StageⅠ:1つのリンパ節領域または1つの非リンパ性臓器の浸潤

StageⅡ:横隔膜の一側、2つ以上のリンパ節領域または1つ以上のリンパ節領域と非リンパ性臓器の浸潤

StageⅢ:横隔膜両側のリンパ節領域に浸潤かつ非リンパ性臓器の限局性浸潤and/or 脾の浸潤

StageⅣ:非リンパ性臓器のびまん性・散布性浸潤(肝、骨髄)(骨髄に浸潤あればStageⅣとなる)。

・B症状(発熱、盗汗、体重減少)があればstage◯b、なければstage◯a。

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79,

60 歳代の男性。肺癌のステージングのために行なわれた18F-FDG PET(3D MIP 像)を示す。正しいのはどれか。1 つ選べ。
a 肝転移を認める。
b 高血糖状態である。
c 末梢血球数の異常が示唆される。
d 胸骨に異常集積があり骨転移巣を疑う。
e 高安病を疑いリウマチ因子を測定する。
79, c

・骨にびまん性の集積あり。G-CSF産生肺癌の疑い。


 

80,

50 歳代の男性。胸痛を主訴に来院した。99mTc-MIBI による心筋血流 SPECT(運動負荷時像と安静時像)を示す。正しいのはどれか。1 つ選べ。
a 右室負荷が目立つ。
b 側壁に異常を認める。
c 前壁中壁は壊死である。
d 不完全再分布を認める。
e 著明な心拡大を認める。
80, d

・中隔は負荷で集積低下→安静で一部改善=不完全再分布。

負荷-安静検査の心筋SPECTパターン

・負荷で集積低下の後、安静にて、

①改善=完全再分布=「誘発虚血
一部改善=不完全再分布=「梗塞と虚血の混在」
③不変=固定制欠損=「梗塞」
④さらに低下=逆再分布=「再灌流後、正常と異常の心筋の混在」

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