2010年放射線科専門医試験問題&解答解説【16-20】診断

問題原本はこちらからご覧ください。

16,

頸椎症について誤っているのはどれか。1 つ選べ。
a 頸髄症により膀胱直腸障害をきたす。
b 頸髄症により手指の巧緻障害をきたす。
c 神経根症により痙性歩行障害をきたす。
d 神経根症により上肢片側性の疼痛をきたす。
e 後頭部痛などの非特異的局所症状の原因となる。
16, c

・頸髄症では痙性歩行障害をきたす。

※痙性歩行障害:下肢に痙性がある際に、膝を伸展したままで床から足をあげずに、狭い歩幅で歩く状態、脊髄症痙性麻痺などでみられる。

※自分の意思とは関係なく、体が勝手に動いてしまう症状を痙性と言う。


 

17,

脊椎病変と画像所見との組み合わせで正しいのはどれか。1 つ選べ。
a Hodgkin 病 ――polka dot sign
b Paget 病 ――椎弓根の消失
c 転移性脊椎腫瘍 ――椎間腔狭小化
d Langerhans細胞組織球症 ――扁平椎
e 動脈瘤様骨囊腫――椎体全体の骨硬化
17, d

・a:他部位原発のHodgkinリンパ腫、非Hodgkinリンパ腫の骨病変はその20%程度にみられ、脊椎、骨盤、肋骨に好発し、多発性の虫喰い状の皮質の破壊を伴った骨溶骨性病変を呈することが多い。しかし、特にHodgkinリンパ腫ではときどき骨硬化像を呈する場合があり、脊椎においては、象牙椎(ivory vertebra)と呼ばれる。polka dot signは脊椎血管腫の所見。

象牙椎体(ivory vertebra)=椎体が陰影増強の鑑別

・炎症後の変化。
・変形性関節症
・外傷後
・腫瘍(転移、Hodgkinリンパ腫)
・肥満細胞症

・b:paget病はPicture frame appearance 額縁様変化

・d:ランゲルハンス細胞肉芽腫症の骨変化としては、頭蓋骨(地図状頭蓋)、下顎骨 (floamgteёth)とCalveの扁平椎が有名。参考画像)扁平椎のレントゲン画像(診断専門医2012年42番の画像)

・e:動脈瘤様骨嚢腫は ballooning of the cortex 風船状拡張。膨張性の溶骨性変化で、硬化縁を伴わない。


 

18,

内側半月板について正しいのはどれか。1 つ選べ。
a 後節を膝窩筋腱が通る。
b 円板状半月板の頻度が高い。
c 前節と後節が同じ大きさである。
d 外側半月板よりも前後径が長い。
e バケツ柄断裂で double PCL sign がみられる。
18,d,e(2つある)

・a-cは外側半月板のこと。

内側半月板(MM)と外側半月板(LM)

・内側半月板は半径は大きく開き気味で、後節は大きい。

・外側半月板は半径は小さく、より閉じたC字型に近い。

meniscus

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19,

スポーツ外傷について正しいのはどれか。2 つ選べ。
a 坐骨結節の裂離骨折は大腿直筋付着部に生じる。
b Hill-Sachs 病変は肩甲骨関節窩の裂離骨折である。
c 投球肘における離断性骨軟骨炎は上腕骨滑車に好発する。
d ジャンパー膝(jumper’s knee)ではしばしば膝蓋靱帯炎をきたす。
e 前十字靱帯断裂では大腿骨および脛骨外側顆の骨挫傷を伴う。
19,d,e

a:坐骨結節の剥離骨折はハムストリング、下前腸骨棘の剥離骨折が大腿直筋。
参考画像)坐骨結節の裂離骨折のレントゲン(診断専門医2012年10番の画像)

裂離骨折の部位と付着する筋

fx

好発部位 付着する筋
坐骨結節 ハムストリング=後大腿筋群(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)
上前腸骨棘 縫工筋、大腿筋膜張筋
下前腸骨棘 大腿直筋
恥骨結合(and恥骨下枝) 内側大腿筋群(長・短内転筋、薄筋)
腸骨稜 腹筋群
小転子 腸腰筋
大転子 中・小臀筋、内閉鎖筋、双子筋、梨状筋

・b:Bankart lesionのこと。Hill-Sachs lesion は上腕骨頭外側上方の陥没骨折。

・c:投球肘における離断性骨軟骨炎は上腕骨頭に好発する。※離断性骨軟骨炎は人の病気。

・d:

ジャンパー膝(jumper’s knee)

・頻回にジャンプを行う競技者で見られる、膝蓋腱の慢性炎症性変化を指す。

・MRIで膝蓋骨直下の膝蓋腱領域の高号化が特徴的である。

・40歳以下の男性で、両性であることが多い。

・e:ACL断裂では大腿骨外側顆と脛骨高原の後外側が衝突し、骨挫傷をきたす(kissing contusionとよばれる)。

Kissing contusion

ACLは脛骨が前に出ないように保持している。

・脛骨が前に出るように強制される、または外旋されると、ACLは切れ、骨同士がぶつかる。

・MRIではその動かぬ証拠が残っている。それがbone bruiseという形で見える。

大腿骨の前方、脛骨の後方に認められる。T1WI低信号、T2WI高信号、数ヶ月持続する。

・骨髄浮腫や、小出血、海綿骨梁の微細骨折を反映。これをkissing contusionという。

ACL断裂の二次的所見であり、逆に、この所見があるときはACL断裂がないかをチェックする。

動画で理解するkissing contusion


 

20,

骨壊死について誤っているのはどれか。1 つ選べ。
a 関節面に圧潰をきたす。
b 単純 X 線写真は早期診断に有用である。
c MRI T2 強調画像で double line sign を認める。
d Kienböck病では月状骨の硬化性変化をきたす。
e 大腿骨内側顆の特発性骨壊死は内側半月板断裂を合併しやすい。
20, b

・b:早期診断には MRI が有用である。

・c:double line signは大腿骨頭壊死症に特徴的な像。

・d:Kienböck病では月状骨の硬化性変化をきたす。(つきーんべっく)

 大腿骨内顆特発性骨壊死

・好発部位は大腿骨内顆の過重面だが、大腿骨外顆、頸骨近位部に見られることもある。

・半月板断裂を合併することが多く、長期に経過したものでは変形性膝関節症を合併する。

・MRIにおける信号強度のパターンは時期により異なるが、T1強調像で低信号、T2強調像で等~低信号を示すことが多い。

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