2011年放射線科診断専門医試験問題&解答解説【61-65】

問題原本はこちらからご覧下さい。

61, 

20 歳代の女性。腹部膨満感を主訴に来院した。超音波検査にて骨盤内に腫瘤性病変が指摘され精査となった。骨盤部 MRI を示す。この病変について考えられるのはどれか。1 つ選べ。
a LDH が上昇する。
b 皮脂腺分泌物を含む。
c 転移することは稀である。
d 腹膜播種による進展が多い。
e 毛髪を含むことが特徴的である。
61, d
未熟奇形腫

・若年者に多くたいていは20歳以下。

・腹膜播種が主な進展形式であるが、リンパ節転移も見られる。

・脂肪成分は巻き散らかされたように点在する。

・この場合の脂肪は脂肪組織であり、成熟嚢胞性奇形腫のような皮脂腺からの分泌物とは異なる。


 

62,

70 歳代の女性。慢性維持血液透析を受けている。バスキュラアクセスの狭窄による脱血不良のためバルーン拡張術が行われた。拡張術前後の血管造影を示す。誤っているのはどれか。1 つ選べ。
a 流入動脈は橈骨動脈である。
b 流出静脈は橈側皮静脈である。
c 狭窄の好発部位である。
d 硬化は動脈側に起こりやすい。
e 拡張には 20 気圧以上必要となることが多い。
62, d

橈骨動脈と橈骨皮静脈を皮下にて吻合するのが、一般的。

・狭窄の好発部位は動静脈吻合部の近傍静脈部位(静脈側)。画像のうち、向かって左が動脈、右が静脈。今回も狭窄は静脈側に生じている。

VA に関連する合併症

1.血流量不足
2.狭窄(動脈 / 静脈の内腔狭小化)
3.血栓形成(VA の閉塞)
4.穿刺部感染症
5.瘤形成
6.静脈高血圧(sore thumb or sore hand syndrome)
7.スチール症候群
8.血流量過剰,high output failure
9.血液再循環
10.穿刺困難・穿刺部限局
11.その他
(慢性血液透析用バスキュラーアクセスの作製および修復に関するガイドラインより引用)


 

63,

50 歳代の男性。上腹部痛を主訴に来院した。精査を目的に施行された腹部造影 CT を示す。この疾患に合併しにくいのはどれか。1 つ選べ。
a 肺線維症
b Mikulicz 病
c 間質性腎炎
d 慢性甲状腺炎
e 硬化性縦隔炎
63, a
自己免疫性膵炎

・IgG4関連疾患として、唾液腺(唾液腺腫脹)、涙腺、肺(間質性肺炎)、縦隔・肺門・膵周囲リンパ節、胆道(硬化性胆管炎)、腎(間質性腎炎)、後腹膜(後腹膜線維症)、前立腺、胃(胃潰瘍)、十二指腸(十二指腸乳頭腫大)などにさまざまな膵外病変を合併することが明らかとなっている。

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64,

80 歳代の男性。人間ドックで前立腺 MRI が施行された。可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。
a 良性前立腺過形成
b IgG4 関連前立腺炎
c 慢性前立腺炎
d 前立腺膿瘍
e 前立腺癌
64, e

・内腺(移行域)のPC。DWIにて高信号、ADCにて信号低下あり。ダイナミック早期では、染まっているが正常でも染まるのでダイナミックだけでは診断できない。

・IgG4関連前立腺炎:まとまった画像診断の報告なし。


 

65,

60 歳代の男性。不明熱の精査目的で,67Ga 炎症シンチグラフィを施行した。熱源として可能性が高いのはどれか。2 つ選べ。
a 急性肝炎
b 右側耳下腺炎
c 右股関節周囲炎
d O-157 による感染性腸炎
e 上大静脈に留置された CV カテーテル感染
65, c,e

・上大静脈部および右股関節に集積あり。右耳下腺にも集積軽度あるが、熱源としては微妙。

ガリウムシンチ

鼻腔、涙腺、唾液腺、肺門、肝、腸管、陰嚢の生理的な集積パターンを念頭に置く。(24%が骨・骨髄、5%が肝、1%が脾に集積。)

・頭頸部では、鼻咽腔、耳下腺、時に涙腺が描出される。

・胸部では、胸椎、胸骨、肋骨、肩甲骨などに集積、肺野では1/3で両側肺門部に八字型の集積。女性では乳房も(授乳期や月経前期など特に)描出される。

・肝への集積は著明、脾も軽度描出。腎からも排泄されるが、腎の描出は24時間以内。

・腸管への分泌は著明。

・全身後面像で淡く骨髄や腎が描出されても異常所見ではない。

・頭頚部と四肢以外の、生理的集積が少ない体幹部は、SPECTが極めて有効。

・集積増加所見があれば、その部位と範囲をCTやMRで確認する。

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