2009年放射線科専門医試験問題&解答解説【81-85】診断

問題原本はこちらからご覧ください。

81,

大動脈から直接分枝することがまれな血管はどれか。1 つ選べ。
a 腰動脈
b 卵巣動脈
c 下副腎動脈
d 下横隔動脈
e 下腸間膜動脈
81,  c

a 腰動脈 ×左右一対ずつ、大動脈後面より分岐し、腰筋、腹筋などに枝を出す。
b 卵巣動脈 ×腎動脈直下で大動脈前面より一対ずつ分枝する。
c 下副腎動脈 ○腎動脈より分枝
d 下横隔動脈 ×大動脈の腹腔動脈基枝部、直上部より分枝する。
e 下腸間膜動脈 ×第二、三腰椎の高さで腹部大動脈から分枝する。

副腎動脈

・上副腎動脈←下横隔動脈から分枝
・中副腎動脈←腹部大動脈から分枝
下副腎動脈←腎動脈(被膜動脈)から分枝

副腎静脈

・右はIVCへ。左は左腎静脈へ還流。

精巣動脈

・腹部大動脈(もしくは腎動脈)から分枝。

精巣静脈

・右はIVCへ、左は左腎静脈へ還流。


 

82,

前立腺癌について誤っているのはどれか。1 つ選べ。
a MRI T2 強調像で低信号を示す。
b 内腺発生癌は検出が困難である。
c ダイナミック MRI で早期濃染を呈する。
d MRI の拡散強調像は診断能を改善する。
e FDG-PETCT は存在診断に有用である。
82, e

a ○辺縁領域に多く発生し、T2強調画像にて低信号を示すのが典型的。
b ○内線(移行域)は不均一信号強度にみえ、前立腺癌の評価は難しい。
c ○早期濃染→wash outが典型的。
d ○DWIで高信号を示し、ADCで信号低下が典型的。
e FDG-PET CT は存在診断に有用である。×最近は診断に有効との報告もある。

FDG-PETの前立腺癌検出について

・膀胱の背側に位置していることもあり、原発腫瘍の評価は難しい。
・骨転移の検出能も骨シンチの方が高い。

参考)
PETの画像診断(腹部・婦人科領域・泌尿生殖器癌)
前立腺癌(prostate cancer)のMRI画像診断


 

83,

卵巣捻転の原因として最も頻度が高いのはどれか。1 つ選べ。
a 卵巣腺癌
b 成熟奇形腫
c 卵巣機能性囊胞
d 卵巣顆粒膜細胞腫
e 悪性胚細胞性腫瘍
83, b
卵巣腫瘍捻転

・通常は一側性に起こる。右:左=2:1。左側に少ない理由は、S状結腸が靭帯の癒着を防いでいるとされる。

・急性腹症(激烈な腹痛)として発症するが、捻転が徐々に起こり、軽度の下腹部痛が寛解と増悪を繰り返して慢性に経過する例も少なくない。

・組織型としては、周囲と癒着を生じにくい成熟嚢胞性奇形腫(最多)や機能性嚢胞、嚢胞性卵巣腫瘍に生じやすく、悪性腫瘍は稀。

・線維腫などの充実性腫瘍は漿膜下筋腫の捻転との鑑別が問題となる。

5-10cmのものの捻転の頻度が高い。(小さくても大きすぎてもねじれにくい。)

・小児では付属器の固定が不十分で可動性に富むため、正常卵巣の捻転が認められることもある。

参考)卵巣腫瘍捻転(ovarian torsion)の画像診断

スポンサーリンク

84,

感染性腹膜炎の CT 所見について誤っているのはどれか。1 つ選べ。
a 腹水貯留
b 壁側腹膜の肥厚
c 腹水濃度の低下
d 腸管壁の造影効果
e 腸間膜内脂肪織の濃度上昇
84, c

・腹水は出血などをきたして濃度上昇をきたすことがあっても、腹水濃度低下はきたさないと考えられる。


 

85,

鈍的外傷における腸間膜損傷で最も重篤な造影 CT 所見はどれか。1 つ選べ。
a 腸間膜内のガスの漏出
b びまん性の腸管壁肥厚
c 腸間膜脂肪織濃度上昇
d 限局的な腸間膜内液体貯留
e 腸間膜血管からの造影剤の漏出
85, e

・大量出血をきたす可能性のある血管損傷による造影剤の露出がより重要と考えられる。e>a>他でやばい。

2009年問題のトップに戻る



スポンサーリンク



関連記事はこちら