2009年放射線科専門医試験問題&解答解説【18-25】治療

問題原本はこちらからご覧ください。

18,

分割照射で標準的投与総線量が最も少ないのはどれか。1 つ選べ。
a 前立腺癌根治治療
b 食道癌化学放射線療法
c 悪性膠芽腫術後照射
d ケロイド術後照射
e 脳転移全脳照射
18, d

a 前立腺癌根治治療 × 70Gy、前立腺±精囊基部をCTVとすることが多い。
b 食道癌化学放射線療法 × 60Gy-70Gy/30-35回、6MV以上。
c 悪性膠芽腫術後照射 × 60Gy。
d ケロイド術後照射 ○15Gy/3回程度が標準で、再発率の高い部位では20Gy、再発率の低い部位では10Gy 程度に変更することがある。
e 脳転移全脳照射 × 30Gyが標準的で、長期予後が期待できる場合に37.5~40Gy 照射することもある。


 

19,

強度変調放射線治療(IMRT)の良い適応疾患はどれか。2 つ選べ。
a 上咽頭癌
b 早期声門癌
c 非小細胞肺癌
d 子宮頸癌
e 前立腺癌
19, a,e

・IMRTの適応疾患は頭頚部や脊椎、前立腺などに発生した固形悪性腫瘍となる。


 

20,

全中枢神経系照射の最も良い適応疾患はどれか。1 つ選べ。
a 膠芽腫
b 上衣腫
c 中枢性神経細胞腫
d 胚腫(germinoma)
e 髄芽腫
20, e

・髄芽腫は播種しやすいため、基本的に全症例が放射線治療の適応となり、全脳脊髄照射が標準と考えられる。

・膠芽腫は可及的摘除術+化学放射線療法。放射線は拡大局所+局所照射。全脳照射はしない。化学療法としては、テモゾロマイドが注目されている。

・胚腫は、放射線感受性が極めて高い。化学療法にもよく反応するが、化学療法単独では高率に再発する。放射線治療は全脳室または全脳照射。播種のある場合は、全脳全脊髄照射を行なう。

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21,

放射線治療に関して誤っているのはどれか。1 つ選べ。
a 悪性膠芽腫の治療には,テモゾロマイド併用の放射線治療が行われる。
b 中枢神経悪性リンパ腫には,Methotrexate(MTX)大量療法+放射線治療が行われる。
c 定位放射線治療を行うための固定法に,ネジ式,歯型式,マスク式などがある。
d ガンマナイフはリニアックを用いた定位放射線治療装置である。
e サイバーナイフは産業用ロボットアームにリニアックを搭載している。
21, d

a ○ 膠芽腫の治療は、可及的摘除+化学放射線療法(化学療法ではテモゾロマイドが注目。放射線療法では、三次元的照射技術を用いた通常分割照射。拡大局所照射で60Gy)

b ○  中枢神経悪性リンパ腫の治療は、メトトレキセート大量療法±放射線療法(線量は報告によりばらつきあり。40Gy前後?)。

c ○ 一回照射か分割照射かなどにより、適切な固定法を用いる。

d ×ガンマナイフは定位放射線治療装置であるが、半球上に複数のコバルトが配置されたもので、リニアックは用いられていない。

e ○


 

22,

膠芽腫の術後治療として正しいのはどれか。1 つ選べ。
a 三次元的照射技術を用いた通常分割照射
b 化学療法(シスプラチン)
c 全脳全脊髄照射
d 定位放射線治療
e 密封小線源治療
22, a

・腫瘍への線量を保ちつつ、リスク臓器の線量低減を図るため、3次元治療計画が原則とされる。様々な分割や線量増加が試みられているが、60Gy/30回/6 週間の治療が現時点では推奨される。

 

23,

頭頸部癌の中で放射線感受性が最も良好なのはどれか。1 つ選べ。
a 悪性黒色腫
b 腺様囊胞癌
c 上咽頭癌
d 舌癌
e 粘表皮癌
23, c

・上咽頭癌の症例の多くを占める WHO 病理組織分類の typeII・III は放射線感受性が高いとされる。

※分化度にもよるが、上>中>下咽頭の順に感受性が高い

・舌癌は小線源治療を行なうが、高分化な扁平上皮癌が多く、感受性が特に良好というわけではない。

・a,b,eはいずれも放射線抵抗性。

24,

乳房温存術後の残存乳腺への照射後の有害事象の頻度で,誤っているのはどれか。1 つ選べ。
a 上腕神経障害:約 2%
b 放射線肺臓炎:約 1%
c 肋骨骨折:約 2%
d 組織壊死:約 0.2%
e 心膜炎:約 0.4%
24, a

・らしい。


 

25,

乳房温存療法で行われる接線照射で正しいのはどれか。1 つ選べ。
a 照射野に含まれる肺の深さが 2 cm は許容範囲である。
b 胸骨傍リンパ節は CTV に含める。
c 化学療法は照射と同時に行う。
d 10 MV の X 線を使用する。
e 標準的な線量時間配分は 60 Gy30 分割6 週である。
25,  a

a  ○ 三次元治療計画が推奨されるが、二次元治療計画の場合には肺の深さが一つの目安になる。2−2.5cmは許容範囲内である。

b ×?

c ×同時併用については有効性と安全性のコンセンサスは得られておらず、特に化学療法剤の種類により慎重に判断する必要あり。

d × 4−6MV。

e  ×標準的な線量は 45~50Gy/一回線量 1.8~2.0Gy/4.5~5.5 週。50Gyと覚える。ブースト照射も含めた場合総線量 60~66Gy が総線量となるが、接線照射としては60Gy が標準にはならない。

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