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2009年放射線科専門医試験問題&解答解説【6-10】基礎

問題原本はこちらからご覧ください。

11,

放射線の種類と性質について正しいのはどれか。2 つ選べ。
 a 電磁放射線と粒子放射線がある。
 b α線は遮蔽が困難である。
 c 中性子は電離放射線である。
 d X 線は紫外線に比べて波長が長い。
 e γ線は粒子性を持たない。
11, a,c

a ○放射線はX線、γ線を含む電磁放射線と、粒子放射線に大別される。粒子放射線はβ線、α線、重粒子線などの荷電性粒子線と、中性子の非荷電性粒子線に区分される。

b  ×最も容易。紙1枚程度で可能。

c ○中性子線と電磁放射線は間接電離性放射線に分類される電離放射線。

d ×電磁波の波長は、電波、マイクロ波、可視光線、紫外線、X線、γ線の順で短くなる。

e ×粒子性+波動性。

放射線の種類

radi1 radi2


 

12,

正しいのはどれか。1 つ選べ。
 a ラジオ波は生体深部を加温するために用いられる。
 b 超音波はエネルギーが高いほどより深くまで到達する。
 c 陽電子の静止にともなう 2 個の消滅放射線は任意の方向に放出される。
 d サーモグラフィでは紫外線を測定することにより温度分布が観測される。
 e MRI は中性子のスピンを画像化したものである。
12, b

a ×ラジオ波治療は、ラジオ波電極針を直接腫瘍に穿刺し、腫瘍およびその周囲を凝固壊死させる治療。

b ○超音波の伝わる深さは超音波のエネルギーが高いほど深い。

c ×180度逆方向。陽電子消滅に伴う2個の消滅放射線(電子の静止エネルギーに相当する 511keV のγ線)は 180°対向して放出される。PET。

d ×赤外線

e ×MRI は水素原子の原子核、つまり陽子のスピンを画像化したもの。


 

13,

X 線について正しいのはどれか。1 つ選べ。
 a 深部治療には,低エネルギーの X 線を使用する。
 b 特性 X 線のエネルギーは管電圧に依存しない。
 c 制動 X 線の最大エネルギーは管電圧に反比例する。
 d 診断用 X 線では原子番号の大きい物質ほど単位質量あたりの吸収が少なくなる。
 e 物質を通過すると連続 X 線のエネルギースペクトルの短波長側が相対的に減弱する。
13, b

a ×X線のエネルギーが高ければ高いほど深部への到達距離は伸びるため、深部治療には 10〜15MV程度の高エネルギーX線が用いられる。
b ○
c ×比例
d ×診断用X線(数 10〜数 100keV)と物質との相互作用は主に光電効果による吸収であり、物質の原子番号が大きくなるにつれて単位質量当たりの吸収は大きくなる。
e ×光電効果あるいはコンプトン散乱による吸収は低エネルギーX線の方が大きいため、連続スペクトルを有するX線が物質を通過すると、低エネルギー成分の減弱が起こる。低エネルギー成分とは比較的長波長側のX線を示す。

特性X線

・電子殻の1つが空席になった場合、高次の軌道の電子がその空席を埋めてX線を放出する現象。

・特性 X 線のエネルギーは管電圧に依存しない。

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14,

正しいのはどれか。1 つ選べ。
 a 陽電子は電子と衝突しγ崩壊する。
 b 中性子は荷電がなく,電離放射線ではない。
 c 治療用 X 線の吸収は光電効果が主である。
 d 高エネルギーの治療用 X 線では中性子の発生がある。
 e コンプトン効果は原子核の陽子に光子がぶつかり散乱する現象である。
14, d

a 陽電子は電子と衝突しγ崩壊する。×陽電子は物質中の自由電子との反応で電子対消滅を起こし、2 本の対向するγ線(511keV, 電子の静止エネルギー)を放出する。

b ×中性子はγ線と同様に非荷電放射線ではあるが、原子核との相互作用の結果間接的に電離を起こす電離放射線である。γ線も間接電離放射線である。

c ×治療用X線はコンプトン散乱である。診断用X線が光電効果である。

d ○高エネルギー光子は光核反応( (γ,n)反応)により中性子を放出する。

e コンプトン効果は原子核の陽子に光子がぶつかり散乱する現象である。×コンプトン効果は、入射光子と原子(軌道電子)との相互作用により起こる散乱である。


 

15,

ブラッグピークを形成するのはどれか。2 つ選べ。
a ガンマ線
b 陽子線
c 電子線
d 速中性子線
e ネオン線
15, b、e

・荷電粒子に限って現れる現象。


 

16,

我が国において 2005 年の時点でがん患者のうち放射線治療を受けた割合はどれか。1 つ選べ。
a 5%
b 10%
c 25%
d 50%
e 70%
16, c

・癌患者の4人に1人が放射線治療を受けている。


 

17,

正しいのはどれか。2 つ選べ。
a ヒトの LD 50/60 は約 10 Svである。
b DNA 合成期の細胞が最も放射線感受性が高い。
c X 線の生物学的効果は間接効果によるものである。
d 放射線による細胞死の主な機序は DNA の一本鎖切断である。
e 間期死は細胞分裂を介さずに細胞が死に至る細胞死である。
17,c,e

a × 4(死)Svと覚える。
※LD 50/60は60日以内に 50%のヒトが死亡する線量のことで、半致死線量と呼ばれる。LD100(100%死亡する線量)は 7~10Sv 程度。

b × 細胞周期にはDNA合成期(S期)と分裂期(M期)及び分裂後 S 期までの間(G1 期)、S 期から M期までの間(G2期)の4つがある。このうち放射線感受性は G1 期からS期に移る時期とG2/M期で高く、逆にS期の後期では低い。
c  ○ エックス線などの光子によるDNA障害の75%は間接作用によって起こる。
d × 二本鎖。
e ○ 細胞死には分裂を経て死に至る分裂死(増殖死)と、分裂せずに死に至る間期死がある。

※増殖死:放射線照射後1〜3回分裂したところで細胞が死んでしまう現象。
※間期死:放射線照射が原因で、次のM期に入る事なく細胞が死んでしまう現象。

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