2012年放射線科診断専門医試験問題&解答解説【76-80】

問題原本はこちらからご覧下さい。

76,

40 歳代の男性。腹部 dynamic CT と18F-FDG-PETCT を示す。
可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。
a 肝細胞癌
b 胆管細胞癌
c 悪性リンパ腫
d 海綿状血管腫
e 類上皮性血管内皮腫
76, c(>b?)

・PETで肝腫瘍に著明な集積あり(SUVmax=33)。集積部位は均一。集積が強く、均一で、やはり悪性リンパ腫を選ばせようとしているのでしょう。

胆道系腫瘍

・胆嚢癌や胆管癌にはFDGは比較的よく集積する。

・腫瘤を形成しない浸潤性胆管癌などは偽陰性となることが知られている。

・胆嚢炎や胆管炎などの炎症性疾患にも集積するので注意。

・鑑別には遅延画像を取ると、炎症部位の集積は低下(腫瘍の集積は残存)するため、有効と報告ある。しかし、実際はしばしば困難。

参考)PET核医学認定医 臨床編6 腹部・婦人科領域

類上皮性血管内皮腫

・低~中等度の悪性度で、通常多発、肝編に癒合して大きな腫瘤を形成する。

・腫瘍は緩徐な増大、進行性の線維化を認めるため、肝表面が分葉状、陥凹、石灰化を有する。


 

77,

18F-FDG PET の MIP 像を示す。このような画像を呈する原因として考えられるのはどれか。2 つ選べ。
a 減弱補正を行わなかった。
b FDG 投与前に運動をした。
c FDG 投与前に食事をとった。
d FDG 投与前にインスリンを注射した。
e FDG 投与から撮像までの時間が長かった。
77, c,d

・左右対称に全身の筋に均一に集積している。運動後だと、使った筋に集積するはず。


 

78,

40 歳代の男性。熱源の精査目的で67Ga 炎症シンチグラフィを施行した。
熱源として可能性が高いのはどれか。2 つ選べ。
a 鼻腔炎
b 大腸炎
c 耳下腺炎
d 膝関節炎
e 左股関節炎
78, d,e

参考)クエン酸ガリウムシンチ(67Ga)の画像診断(腫瘍・炎症シンチ)

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79,

提示されたシンチグラムについて正しいのはどれか。1 つ選べ。
a 多発性の肺転移を認める。
b びまん性の肝転移を認める。
c 多発性のリンパ節転移を認める。
d 手術前日もしくは当日に検査を行う。
e 使用した放射性医薬品は99mTc-MAA である。
79, d

・センチネルリンパ節シンチは手術前日もしくは当日に行う。

センチネルリンパ節シンチグラム

癌の原発巣からリンパ流を直接受けるリンパ節をガンマプローブで検出する手法。転移かどうかは診断できない。あくまで直接リンパ流を受けるリンパ節がわかるだけ。そこを生検してはじめて転移か否かわかる。この辺りは、専門医でも、細かい問題あり。

センチネルリンパ節とは癌の原発巣からのリンパ流を直接うけるリンパ節。複数個あることもあり、癌の原発巣に最も近いリンパ節とは限らない。

・乳癌と悪性黒色腫に保険適応あり。

参考)放射線科専門医過去問頻出問題 核医学【総論+α】


 

80,

60 歳代の男性。再発,難治性の濾胞性リンパ腫に対するイブリツモマブチウキセタン(ゼヴァリン)治療を目的に来院した。18F-FDG PET と111In ゼヴァリン投与 48 時間後像を示す。
正しいのはどれか。1 つ選べ。
a 90Y ゼヴァリン投与可能と判断できる。
b 90Y ゼヴァリン投与の適応評価のためには,追加撮像が必要である。
c 111In ゼヴァリン像で,腎への強い取り込みを認める。
d 111In ゼヴァリン像で,骨髄への顕著な取り込みを認める。
e リンパ腫病変の一部にしか111In ゼヴァリンが集積していないので,不適格生体内分布と判断できる。
80, a
イブリツモマブチウキセタン(分子標的薬商品名セヴァリン)

・適応:CD20陽性の再発または難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫。

・まず診断薬剤のインジウム111標識ゼヴァリン(111In ゼヴァリン)を注射
→48時間後に体内分布をシンチグラフィーにより撮影し体内分布を確認。問題なければ(骨髄などに異常集積あれば、重篤な骨髄抑制などを起こす可能性あり治療はしない)
→1週間後に、治療目的でイットリウム90標識ゼヴァリン(90Y ゼヴァリン)を静注。
→β線による内部照射による放射線治療を行なう。

・外来治療が可能。

111In-イブリツモマブチウキセタン(ゼヴァリン)による判定-異常な体内分布とは?

・著明な骨髄へのびまん性の取り込み(骨シンチのスーパースキャンに似た集積)
・肝臓、脾臓、骨髄への局在的な集積(網内系への取り込み)
・正常臓器への集積異常
①肺>肝へのびまん性集積
②後面像で、腎>肝への集積
③正常腸管>肝への集積かつ経時的変化がみられないもの

これらをいずれも満たさないので、aと考える。

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