2012年放射線科診断専門医試験問題&解答解説【51-55】

問題原本はこちらからご覧下さい。

51, 

40 歳代の女性。検診の腹部超音波検査で右副腎に結節性病変を指摘され精査となった。高血圧症がある。腹部 MRI を示す。正しいのはどれか。2 つ選べ。
a 悪性腫瘍を考えるべきである。
b MIBG シンチグラフィが有用である。
c 原発性アルドステロン症と診断できる。
d 右副腎腫瘤には脂肪が含まれている。
e 副腎静脈サンプリングが確定診断に有用である。
51, d,e

右副腎結節あり。in-phase→out-of-phaseにて信号低下している=脂肪が含有されている。

参考)副腎腺腫(副腎皮質腺腫)の画像診断

原発性アルドステロン症
  • アルドステロン産生腺腫はサイズが小さくても内分泌活性が高いことが多いため、約2割の症例ではCTでは異常を指摘できない。
  • アルドステロン産生腺腫は片側副腎摘除で治癒が期待できるが、両側副腎からアルドステロン過剰分泌が認められる特発性アルドステロン症では手術による治癒が期待できないため、生涯にわたる薬物治療が必要。

参考)副腎静脈サンプリングのカテーテル検査の方法は?


 

52, 

60 歳代の男性。高血圧と急激な糖尿病の悪化を認め精査となった。単純 CT,MRI の T2 強調像および MIBG シンチグラムを示す。本症変に合併する疾患として考えられるのはどれか。2 つ選べ。
a MEN I 型
b MEN II 型
c MEN III 型
d von Hippel-Lindau 病
e Rendu-Osler-Weber 病
52, b,d
  • 右副腎に嚢胞変性を伴った腫瘤あり。MIBGにおいても集積あり。褐色細胞腫。
  • MEN1=膵、下垂体、副甲状腺腺腫(すいすい不幸)、
    MEN2=髄様、褐色細胞、副甲状腺腺腫(ずいずい不幸)
  • あとは、von Hippel-Lindau病。専門医試験は放射線科専門医も診断専門医もなぜかこの病気が大好き。
von Hippel-Lindau病
  • 頻度4−5万人に一人。常染色体優性遺伝/孤発例(50%)
  • VHL遺伝子の不活性化または欠損。
  • 合併症:中枢神経系(血管芽細胞腫、上衣腫、星細胞腫)、網膜血管腫、腎細胞癌、褐色細胞腫、腎嚢胞、膵嚢胞、膵腫瘍。
  • 診断基準
    ①VHLの家族歴と次の内1つ以上の内臓病変:褐色細胞腫、腎嚢胞、腎細胞癌、膵嚢胞、膵腫瘍、精巣上体乳頭状嚢胞性腺腫
    ②2個以上の中枢神経の血管芽細胞腫
    ③1個の中枢神経の血管芽細胞腫と内臓病変

 

53,

50 歳代の女性。尿失禁を主訴に来院した。骨盤部 MRI を示す。この疾患に悪性腫瘍が合併した場合,組織型として可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。
a 腺癌
b 移行上皮癌
c 扁平上皮癌
d 平滑筋肉腫
e 悪性リンパ腫
53, a

尿道憩室から出るのは腺癌が多い。

参考)尿道憩室の画像診断

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54,

80 歳代の女性。急激な腹痛を主訴に来院した。不整脈と糖尿病で治療中である。腹部造影 CT を示す。原因疾患として考えにくいのはどれか。 1 つ選べ。
a 十二指腸潰瘍
b 絞扼性イレウス
c 敗血症性ショック
d 上腸間膜動脈血栓症
e 非閉塞性腸間膜虚血症(NOMI)
54, a

肝の末梢にairあり。門脈内ガスを疑う所見。b-eはいずれも門脈内ガスを起こしうるが、aは関係ない。

参考)門脈内ガスの画像診断、鑑別診断


 

55,

30 歳代の女性。発熱を主訴に来院した。腹部造影 CT を示す。検査として次に行うべきなのはどれか。2 つ選べ。
a 血清 HIV 抗体値
b 血清 CA 125 値
c 血清 CEA 値
d 血小板数
e 便検査
55, a,e

肝に巨大嚢胞性病変あり。一部壁在結節のようにも見えるが…。腹水あり。回盲部に軽度壁肥厚ありか?発熱もあるし、肝膿瘍と考えると、aとeか。

参考)肝膿瘍の画像診断

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