2012年放射線科診断専門医試験問題&解答解説【41-45】

問題原本はこちらからご覧下さい。

41, 

生後 7 日の新生児。満期産人工栄養。腹部膨満と嘔吐が出現したため腹部 X 線単純写真が撮影された。
考えられるのはどれか。1 つ選べ。
a 回腸閉鎖
b 壊死性腸炎
c 中腸回転異常
d 胎便性腹膜炎
e 十二指腸膜様閉鎖
41, b

・小腸壁内にガスがある。

壊死性腸炎
  • 生後30日未満(特に1週間以内)。30日以後に見られることもある。
  • 早産時、低出生体重児、人工ミルク。
  • RDSなどの低酸素血症のため、腸管循環の乏血や低酸素血症による腸管粘膜の抗炎症防御機構の低下、経口食物摂取による粘膜への刺激などが相まって、微小循環や壊死による腸管粘膜の損傷により腸管壁内にガスが漏出
  • 腸管の漿膜が破綻すると気腹。

 

42,

8 歳の男児。腰痛を主訴に来院した。腰椎 X 線単純写真側面像を示す。
考えられるのはどれか。1 つ選べ。
a 白血病
b 内軟骨腫
c 脊椎血管腫
d 骨軟骨腫症
e Langerhans 細胞組織球症
42, e
LCH
  • 小児から若年成人にかけてみられる。
  • 従来histiocytosis Xといわれた原因不明Langerhans型組織球の増殖による肉芽腫形成性疾患。
  • 病変は単発性に発生する事が多く、頭蓋骨、下顎骨、椎体に好発する。
  • 病気に応じて椎体は種々の程度に圧潰するが、完全に扁平化することもある(Calve扁平椎、vertebra planaと呼ばれる。)
Calve扁平椎
  • 単純X線写真で椎体の圧潰と濃度上昇、椎間板が保たれ、むしろ椎間板腔の拡大が見られる。
  • LCHの他、外傷、骨巨細胞腫といった良性疾患の他、頻度は落ちるが、Ewing肉腫、骨肉腫、悪性リンパ腫でも見られることがある。

 

43, 

新生児の胸部 X 線写真仰臥位正面像と cross table 側面像(仰臥位側面像)を示す。
所見として正しいのはどれか。1 つ選べ。
a 気胸
b 心拡大
c 気縦隔
d 胸腺腫大
e 左肺コンソリデーション
43, d
  • 新生児は正常でも胸腺が腫大している、ということを言いたいのか?

44,

40 歳代の男性。下肢の浮腫を主訴に来院し精査となった。消化器症状はない。胃二重造影を示す。
考えられるのはどれか。2つ選べ。
a 慢性肥厚性胃炎
b メネトリエ病
c 悪性リンパ腫
d 好酸球性胃炎
e 急性胃炎
44, b,(&c,a,d?)
Menetrier病
  • 巨大肥厚性胃炎、胃巨大皺壁症とも呼ばれる。
  • 原因不明の胃粘膜、特に胃底腺の過形成により雛壁が巨大に肥厚する疾患。
  • 臨床所見としては低蛋白血症が特徴的。それに伴う下痢、腹痛、体重減少、浮腫など。
  • 成人ではピロリ菌、小児ではサイトメガロウイルスとの関連が指摘されている。
  • 画像所見:特徴的な巨大雛壁。この問題の画像は非常に典型的。
参考)巨大雛壁の鑑別診断
  • 急性胃炎(柔らかい)
  • 悪性リンパ腫、スキルス胃癌(固い)
  • Menetrier病
  • 皺壁肥大型胃炎
  • 好酸球性胃腸炎
  • アミロイドーシス
    わかる!役立つ!消化管の画像診断P59より引用改変

Yuri先生ありがとうございました。


 

45,

70 歳代の男性。血便を主訴に来院した。注腸造影を示す。
所見として認められるのはどれか。2 つ選べ。
a 瘻形成
b 縦走潰瘍
c Bird-of-prey sign
d Overhanging edge
e 全周性の不整狭窄
45, d,e
  • Bird-of-prey sign=Bird’s beak signは、S状結腸軸捻転症で見られる注腸の像。
  • Overhanging edgeは腫瘍境界部に癌腫が周囲粘膜を圧排挙上するように発育するため認められる注腸の像。(痛風における境界明瞭な骨びらんを意味するレントゲン所見にも動揺のフレーズが使われる)

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