2012年放射線科診断専門医試験問題&解答解説【21-25】

問題原本はこちらからご覧下さい。

21, 
50 歳代の男性。半年前から認める頭痛を主訴に来院した。頭蓋底部 CT と MRI を示す。可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。
a 乳頭腫
b 血瘤腫
c 悪性黒色腫
d 術後上顎囊胞
e 真菌性副鼻腔炎senmoni2012-21

21, e

・単純CTで右上顎洞内に一部高吸収の腫瘤あり。内側壁には骨破壊像あり。造影にて軽度増強効果あり。T1WIでは等信号〜低信号。T2WIで腫瘤は著明な低信号。真菌性副鼻腔炎に特徴的。

真菌性副鼻腔炎の画像所見

▶CT所見(浸潤性):
・骨破壊、内部不均一、真菌塊の石灰化、眼窩尖端部脂肪織の消失などが挙げられる。
・周囲骨は多彩で、硬化像、硬化像、骨侵食、再構築が混在する。上顎洞内側壁には骨破壊像を認める。

▶MRI所見:
・菌球はT1WIで低信号、T2WIで著明な低信号

参考)真菌性副鼻腔炎(fungal sinusitis)の画像診断、画像所見


 

22,

60 歳代の男性。最近になり呼吸困難感が増強したことを主訴に来院した。高分解能 CT を示す。この疾患について正しいのはどれか。1 つ選べ。
a 自然寛解する。
b 急性に経過する。
c 病変は上肺野優位である。
d 薬剤性肺障害の危険因子となる。
e 特発性ではすりガラス状陰影が広汎である。senmoni2012-22

22, d

・肺底部に蜂巣肺を認めており、UIP patternを疑う所見。進行性であり、自然寛解しない。緩徐に進行する。病変は下肺野優位。

IPF(UIP)

・原因不明の線維性間質性肺炎。
・慢性経過。
・男性に多い。
・50〜70歳に好発。なので加齢もリスクファクターと言われる。(参考:NSIPの好発年齢は40〜50歳)
・主症状は乾性咳嗽、息切れ。
・治療抵抗性で予後不良。10年生存率は15%。

参考)通常型間質性肺炎(UIP/IPF)の画像診断、画像所見 


 

23、

30 歳代の女性。発熱と咳嗽を主訴に来院し異型肺炎が疑われた。胸部 X線写真と高分解能 CT を示す。可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。
a マイコプラズマ肺炎
b 肺炎球菌性肺炎
c 肺炎桿菌性肺炎
d レジオネラ肺炎
e クラミジア肺炎senmoni2012-23

23, a

・若い女性。異型肺炎。CTで、左下葉に気管支壁の肥厚・小葉中心性の粒状影が見られる。これらから、マイコプラズマ。

マイコプラズマ肺炎の画像所見

▶胸部CT:

  • 小葉中心性結節影(しばしばtree-in-bud appearance)
  • (中枢まで目立つ)気管支肺動脈束の肥厚
  • (気管支肺炎様の)小葉大のすりガラス・均等影・浸潤影

※lobular opacityと呼ばれる矩形の結節もしくは腫瘤が見られることや、大葉性肺炎を疑わせる広範な浸潤影や無気肺を呈するものもある。これは繊毛上皮に付着して粘液の流れを止める結果末梢無気肺となり、横隔膜が挙上するため。

  • 中でも、小葉中心性結節と、比較的中枢側まで目立つ気管支壁の肥厚は、比較的マイコプラズマ肺炎に特異的な所見といえる。これは気道上皮(線毛上皮)に親和性が高く、太い気道から娘枝領域を含んだ末梢気道までを連続的に侵す特徴による (そのため咳が強い)。

参考)マイコプラズマ肺炎(Mycoplasma pneumoniae pneumonia)の画像診断

24,
70 歳代の男性。検診の胸部 X 線撮影にて異常を指摘され精査を目的に来院した。胸部 X 線写真を示す。患者の職業歴として可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。
a 農業
b 炭鉱夫
c 溶接工
d 牧畜業
e 造船所労働者senmoni2012-24

24, b→e

両側肺野に粗大な腫瘤影。胸膜の石灰化あり。腫瘤にみえるのも胸膜の石灰化か?CP angleは石灰化spareされている。石綿肺の胸膜プラークか。

参考)中皮腫と職業性石綿ばく露に関する検討 中皮腫ですが、e 造船所労働者 が多いようです。

アスベストなら造船所労働者が最もリスク大ではないでしょうか?

ふらふら帝国先生ありがとうございました!

胸膜プラークとは
  • 石綿曝露から15-20年後に生じる限局性胸膜肥厚
  • 外側後方、横隔膜、心膜側の壁側胸膜に多く、肺尖部や肋横隔膜角部はまれ。
  • 基本的には、両側、片側もあり(その場合は優位。)
  • 柊の葉(holly-leaf)パターン。
  • 胸膜肥厚(胸膜プラーク)の石灰化の頻度は10〜15%
  • CTでは両側性に板状の胸膜肥厚を呈し、石灰化を伴わない場合は筋肉に近い吸収値を呈する。石灰化を伴う場合、部分的に石灰化する際には壁側胸膜寄りに偏在していることが多い。

参考)
石綿肺(asbestosis)の画像診断
珪肺(silicosis)の画像診断


 

25, 

70 歳代の女性。検診の胸部 X 線写真にて指摘された異常陰影の精査のために来院した。高分解能 CTを示す。この患者の基礎疾患として考慮すべきなのはどれか。1 つ選べ。
a 肺気腫
b 糖尿病
c 慢性腎不全
d 肺胞微石症
e 形質細胞増多症senmoni2012-25

25, c?
  • 肺に嚢胞複数あり。結節影複数あり。内部に微細な石灰化あり。慢性腎不全→アミロイドーシスか?石灰化も合う。
  • ではなくて、慢性腎不全→異所性肺石灰化を言いたいのではないか?

参考)異所性肺石灰化のCT画像診断(転移性石灰化)

肺アミロイドーシス
  • ①気管気管支型、②結節型、③肺実質型の3タイプあり。今回は結節型か。
  • 結節型では、0.4~5cmほどの結節を形成し、単発あるいは多発性で、しばしば末梢や胸膜下に境界明瞭な円形~やや分葉状を示す腫瘤として描出される。
  • 石灰化が30~50%で認められ特徴的である。殆どが無症状。

 

M先生よりメールをいただきました。

肺アミロイドーシスは、AL鎖が主体であるようなのですが(http://pubs.rsna.org/doi/full/10.1148/radiol.12103540)、AL鎖→e 形質細胞増多症ということにはならないでしょうか?

詳しくはわからないのですが、肺アミロイドーシスは、AL鎖が主体の限局型と、AA鎖が主体の全身性アミロイドーシスに続発するものがあり、前者が確かに多いようです。そしてこのALタンパクは異常形質細胞から形成されるようです。これが形質細胞増多症となるのかは不明です。詳しい人教えてください。

 

参考)
多発性結節影・腫瘤影
肺アミロイドーシスの画像診断、画像所見

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