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2012年放射線科診断専門医試験問題&解答解説【16-20】

問題原本はこちらからご覧下さい。

16,

11 歳の女児。てんかん発作を主訴に来院した。意識レベルは正常である。頭部 MRI の FLAIR 像を示す。最も可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。
a 結節性硬化症
b 多発性硬化症
c 多発性脳梗塞
d 急性ウイルス性脳炎
e 急性播種性脳脊髄炎(ADEM)
16, a

・dは側頭葉などに多い。

ADEMの画像診断

白質主体(皮質下/深部白室ともに)に分布するT2WIやFLAIRにて高信号を呈するスキップ状の多発性・両側非対称性病変。Mass effectは乏しい。

参考)
急性散在性脳脊髄炎(acute demyelinating encephalomyelitits;ADEM)の画像診断、画像所見、AHLE(急性出血性白質脳症)
単純ヘルペス脳炎の画像所見
多発性硬化症(MS:multiple sclerosis)の画像診断、画像所見 


 

17、

70 歳代の女性。突然の意識障害のため救急搬送された。頭部単純 CT を示す。
出血部位として可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。
a 脳底動脈
b 前交通動脈
c 右中大脳動脈
d 左中大脳動脈
e 内頸動脈後交通動脈
17, b

・SAHの症例。左右差なく、両側Sylvius谷および前大脳縦裂、鞍上槽に広範に出血あり。前大脳縦裂のやや右側よりにfilling defect signを認めており、A-comからの破裂だと考えられる。

参考)SAHの画像診断②原因動脈瘤の部位を推定する方法を知る。


 

18,

60歳代の男性。意識障害,小脳失調および眼筋運動障害を主訴に来院した。頭部MRI の T2 強調像と拡散強調像を示す。可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。
a Wernicke 脳症
b 神経 Beçhet 病
c 多発性硬化症
d 直静脈洞血栓症
e 傍正中視床動脈閉塞
14, a

・視床内側および下丘に両側対称性に高信号域あり。Wernicke脳症に特徴的な所見。

Wernicke脳症

・ビタミンB1(チアミン)欠乏 外眼筋麻痺、運動失調、意識障害

・脳室周囲は特にチアミンに関連した糖代謝に高く依存しているとされ、第3脳室周囲(視床内側)、中脳水道周囲、第4脳室底、乳頭体が好発部位。

参考)Wernicke脳症の画像診断(ビタミンB1不足)

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19,

30 歳代の女性。頸部腫瘤を主訴に来院した。造影 CT および矢状断再構成像を示す。最も可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。
a 奇形腫
b がま腫
c 第 1 鰓弓囊胞
d 第 2 鰓弓囊胞
e 甲状舌管囊胞
19,e

・舌骨下の傍正中に嚢胞性病変あり。嚢胞は二房性か。矢状断では単房性。部位から、甲状舌管嚢胞。

・第1 鰓弓囊胞…耳下腺、外耳道の近傍
・第2 鰓弓囊胞…顎下腺の後方、胸鎖乳突筋の内側前方、頸動静脈の外側前方
・第3 鰓弓囊胞…後頸間隙

参考)
甲状舌管嚢胞(Thyroglossal duct cyst)の画像診断、画像所見
鰓裂嚢胞(Branchial cleft cyst)の画像診断、画像所見


 

20、

60 歳代の男性。左頸部腫瘤の増大を主訴に来院した。2 年前から気づいていたが無痛性のため放置していた。頸部 MRI および99mTcO4-シンチグラムを示す。この疾患に関して正しいのはどれか。2 つ選べ。
a 両側性に発生する。
b 神経周囲に進展する。
c 顔面神経に発生する。
d しばしば囊胞を認める。
e 石灰化を生じることが多い。
20, a,d

・左耳下腺にT2WIで低信号、STIRにて高信号の腫瘤性病変あり。99mTcO4-で集積あり。ワルチン腫瘍に特徴的。

ワルチン腫瘍

・中年男性に多い。2番目に多い良性腫瘍。
中年男性で下極の耳下腺腫瘍ならワルチンでよし。
・耳下腺腫瘍の15%。
・薄い線維性被膜を持つ楕円形の腫瘤。
・両側性、多中心性発生が10%。
・99m-Tcシンチにて集積像。PETでも集積あり。
・中年・老年男性。
・耳下腺下極後方(尾部)
・境界明瞭な腫瘍
・造影後は増強効果に乏しい。

参考)
ワルチン腫瘍(Warthin’s tumor)の画像診断
耳下腺腫瘍総論

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