2012年放射線科診断専門医試験問題&解答解説【1-5】

問題原本はこちらからご覧下さい。

1.放射線検出器について正しいのはどれか。2 つ選べ。
a GM 管はエネルギーによる分別が可能である。
b 電離箱は広範囲のエネルギーの測定が可能である。
c 半導体検出器は他の測定器と比べエネルギーの分解能が高い。
d シンチレーション検出器は電離箱や GM 管に比べて感度が劣っている。
e 熱蛍光線量計は結晶中に蓄えられた放射線エネルギーを熱に変換して測定する。
1.c,e

a.× GM管では放射線のエネルギーがわからない。電子なだれを利用している。

b.× 電離箱は比較的高い線量の測定に適している。

c.○ 特にGe半導体検出器はガンマ線エネルギー分解能が約2 eVと非常に高い。

d.× 検出感度に優れている。

e.○ 熱ルミネッセンス線量計(熱蛍光線量計、Thermoluminescent Dosimeter、TLD)は、検知器の内部の結晶が加熱されたときにそこから放射される可視光の量を測定することにより、放射線の被曝量を測定するための小さな器具である。(wikipediaより引用)。個人線量計やモニタリングポイントでの積算線量の測定に使用している。


 

2.CT 検査について誤っているのはどれか。1 つ選べ。
a 線量増加は画質向上に寄与する。
b 管電圧を下げると画像ノイズは増加する。
c 自動照射制御は医療被曝低減に有効である。
d 胸部 CT の被曝は胸部 X 線撮影の後前正面像の被曝の 2 倍程度である。
e ヘリカルスキャンでは画像生成に寄与しない被曝が撮影範囲の両端に存在する。
2.d

b.○ 管電圧も管電流も大きくすると、ノイズは減る。小さくするとノイズは増える。
d.×
被曝量は、
腹部血管造影 100mGy以上のことも
>胃 X 線検査 100mGy
>胸部CT 20mGy
>マンモ 2mGy
>胸部X線 0.2mGy なので、CTはレントゲンの100倍と覚える。


 

3.中等度腎機能障害患者(eGFR 41 mL/min/1.73 m2)に造影CTを計画する場合の対策として適切なのはどれか。1 つ選べ。
a 高浸透圧の造影剤を選択する。
b 粘性の低い造影剤を選択する。
c 検査前日にステロイドを投与する。
d 検査直前にループ利尿剤を静注する。
e 検査12 時間前から生理的食塩水を点滴する。
3.b→e

a. × 低浸透圧を推奨すると記載あり。(推奨グレードは「該当せず」)。少なくとも高浸透圧はだめ。本邦では高浸透圧造影剤に血管内投与の適応はない。

b. ×〜△? 高濃度(370mgl/mL)と中濃度(300mgl/mL)の腎機能へ及ぼす影響についての検討では、両者に有意差なし。低濃度については記載なし。

c.× ステロイドや抗ヒスタミン剤を前投薬として用いた場合、副作用全体の発現率が低下したとの報告あるが、有効性は確立していない。

d.× 利尿薬、特にループ利尿薬は推奨しない(グレード C2(科学的根拠はないけど、行なうように奨められていない。))。検査後もダメ。

e.○ 12時間前→6時間前ならガイドライン上は○だけど12時間ならなおよし?×にする理由もない。

eGFR 30〜45 CINのリスク 2.9%→予防策(CT前後に補液など)を講じる。

▶予防策としての補液:(推奨グレードA(=やりなさい。))
・0.9%生食(等張性補液)を6時間前より1ml/kg/hrで、終了後は1ml/kg/hrで6-12時間あるいは
・重曹(1.26%,152mEq/l=等張、メイロンは高張なので使うならば薄めなければ成らない)を1時間前より3ml/kg/hrで、終了後は1ml/kg/hrで4〜6時間

参考)
・腎障害患者におけるヨード造影剤使用に関するガイドライン2012ダイジェスト版
造影剤の副作用を低減する方法とは?
CT造影剤(ヨード)を腎機能障害のある患者に使う場合

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4.医用画像の施設間連携で正しいのはどれか。2 つ選べ。
a DICOM 規格に準拠した画像を使用する。
b 記録媒体の表面には患者名を表記しない。
c 画像を記録媒体で提供する際には Blu-ray Disk を使用する。
d 動画は受取り側の事前了解を得て記録媒体で提供してよい。
e 記録媒体による連携に厚生労働省標準規格は制定されていない。
4. a,d

b. × 患者間違いの対策として、CDのラベルなどに患者名や検査名の情報を記載する。

c. × ブルーレイ渡されても困る。ブルーレイも誤りではないだろうが、CD-RやDVD-Rが一般的。

e. 制定されている。

参考)獨協医科大学のページ


 

5.遠隔画像診断について正しいのはどれか。1 つ選べ。
a VPN などの秘匿通信を使用する。
b 非可逆画像圧縮を用いてデータ伝送量を減らす。
c 患者の個人情報保護のため匿名化画像を使用する。
d 緊急時に依頼医に直接連絡できる体制を必要としない。
e 読影環境の整備は通常の画像診断ほど重視しなくてよい。
5.c→a

a:○

c:遠隔読影していて、確かに患者さんの名前は見えるので×。

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