下部消化管出血の原因疾患

①腫瘍性:腺腫、癌、ポリープ
②炎症性:感染性腸炎、IBD(潰瘍性大腸炎、クローン病)
③血管性/血行障害性:AVM、angioectasia、虚血性腸炎、急性出血性直腸潰瘍
④代謝性:アミロイドーシス
⑤医原性:薬剤性腸炎、放射線性腸炎、内視鏡治療後出血
⑥その他:憩室出血、痔出血、粘膜脱症候群
  • 頻度:虚血性腸炎(16.2%)、薬剤性腸炎(12.6%)、大腸癌・ポリープ(12.5%)

岩舘、他:消化器内視鏡. 23; 1826-1833. 2011

  • 成人では、大腸憩室、高齢者では虚血性大腸炎からの出血が多い。まれに盲腸の血管奇形であるangiodysplasiaが見られる。

憩室出血

  • 炎症による露出血管の破綻から生じる。
  • Extravasation検出率が高い条件は最終血便から造影CTまでの時間が短い、血圧低下、ショック症状のある場合。
  • 逆に開腹しても出血部位が同定できないこともありその場合は、盲目的な結腸半切除術や結腸亜全摘を行なう場合もある。
症例 90歳代女性 下血。内視鏡にて憩室出血と診断し、止血した症例。

diverticulum

ダイナミックCTにて上行結腸にて、徐々に造影剤が漏出しているextravasationを認める。

 

症例 70歳代男性 下血

diverticulum hemorrhage extravasation

ダイナミックCTにて上行結腸にて、徐々に造影剤が漏出しているextravasationを認める。

急性出血性直腸潰瘍

  • 無痛性の突然の大量血便で発症。
  • 脳血管障害、寝たきり状態、糖尿病などを有する高齢者に発症する。
  • 歯状線近傍に発生する。治療は内視鏡止血術。
  • 宿便性潰瘍とオーバーラップも多い。同一疾患と考える報告もあり。

虚血性腸炎

左側結腸の腸炎の鑑別診断、画像診断

感染性腸炎

  • 血便以外の症状(下痢、発熱、腹痛、嘔吐)がある。
  • 3層構造が保たれる。長軸方向に長い壁肥厚。
  • 緊急止血術を必要としない。
  • 血便の頻度が高い原因菌は、カンピロバクター、EHEC、アメーバ赤痢
  • アメーバ性大腸炎は内視鏡でUCと類似 CTでは肝膿瘍、PSCなど消化管病変を検索すべき。

抗生物質起因性腸炎

抗生物質起因性腸炎の種類

  • 偽膜性腸炎(C.difficile)
  • 出血性腸炎(K.oxytoca)
  • コレラ様下痢症(MRSA)

 

  • 内服歴が重要。
  • 回腸末端部がspareされる。
  • 緊急止血を必要としない。

炎症性腸疾患(IBD)

  • IBD: 潰瘍性大腸炎、Crohn病
  • 潰瘍性大腸炎では粘血便から潰瘍による大出血まで様々。
  • Crohn病では顕性出血をきたすことが稀であるが、 時に潰瘍による大出血がありうる。
  • CTは罹患範囲の把握、合併症の診断にも有用。

スポンサーリンク

関連記事はこちら