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硬膜動静脈瘻(dural arteriovenous fistula:AVF)

硬膜静脈壁に異常な血管網→動静脈短路を形成。

▶︎硬膜に沿う異常血管

duralavfhttp://www.thebarrow.org/Neurological_Services/Aneurysms_and_Cerebrovascular_Disorders/203378より引用。

・頭蓋内の動静脈短路の10-15%。脊髄にも発生。

・流入動脈は各動脈の硬膜枝である。硬膜枝が拡張し、静脈洞の壁内に異常な血管網および小さな短路が多数形成されている状態。

・多くは単発で、多発は稀。

・72%は40〜60歳に生じる。小児の発症例も稀ではない。やや女性に多い(60%)。

・成因には先天説、後天説あり。多発例や脳、頭皮、網膜のAVMとの合併例の報告は先天説を支持する。

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静脈洞血栓症が再開通する過程で生じる(血栓ができてその周囲に新鮮血管ができる。)とされる後天説もあり、逆に硬膜AVFが血栓症の原因ともいわれる。他、外傷や、術後。

・dural AVF、dural AVM、dural AV shuntなどの呼称があるが、dural AVFが最も有名。

AVMとの違いは、dural AVFの後天性のものは静脈洞血栓症に続発することがある点と、nidusが認められない点。

▶流入動脈
・外頸動脈からの硬膜枝
・内頸動脈からの硬膜枝

▶好発部位
横静脈洞からS状静脈洞(60%)
海綿静脈洞(20%)
上矢状静脈洞

・なお、内頸動脈海綿状脈洞瘻 carotid-cavernous fistula:CCFは2つのタイプにわけられ、関与する動脈から内頸動脈本幹に瘻孔を形成する直接型と、内・外頸動脈の硬膜枝が関与する間接型に分類される。間接型は海綿状静脈洞部の硬膜AVFという表現が適切。つまり、海綿静脈洞部のAVFはCCFの一つである。

・臨床症状は部位、機序により異なる。横・S状静脈洞のdural AVFでは、血管雑音、頭痛の他に、局所神経症状、脳出血、くも膜下出血などで発症する。海綿静脈洞部のdural AVFでは眼球突出、結膜の充血浮腫、血管雑音など。

・動静脈短絡により、血管雑音bruit  を認め、動静脈短絡による静脈うっ血により痙攣,、意識障害→浮腫→梗塞→出血 を生じる。長期では認知症を起こすことあり。

多くは良性の経過をたどり、時に自然退縮することもあるが、悪性の経過をたどり、致死的な脳出血を来すこともある。

・治療は、経動脈および経静脈塞栓術、流出静脈の結紮術、定位的放射線治療。

Borden分類

・静脈灌流パターンからサブタイプに分類される。

  • Type Ⅰ(静脈洞または髄質静脈への還流のみ),
  • Type Ⅱ(静脈洞または髄質静脈への還流+皮質静脈への逆流)
  • Type Ⅲ(皮質静脈への逆流のみ)

の三つのtypeに分けられ、Type IからType Ⅲと皮質静脈への逆流が増加するにつれて脳出血などの合併症が増加し、臨床予後が不良となる。

硬膜動静脈瘻のMR所見

・通常のT1強調像、T2強調像では短路を直接描出することはできない。といわれるがT2WIで低信号のブツブツ(flow void=流出静脈)が見えることあり。脳槽や脳表のちりちりした異常血管(拡張した血管)を見逃さないようにする。

MRAの元画像にて、中等度以上の短路を有するものでは、静脈洞壁や壁周囲に、点状あるいは線状の高信号が多発性に認められる。

造影MRA DSAにてダイナミックにシャントを確認できる。(AV shunt が疑われるときは、造影 MR DSA が有用)

造影T1WIで血液プール造影効果を認める。

SWIで皮質静脈内のdeoxyHbが上昇しているのを反映して、拡張した血管の無信号域を認める。

・間接的所見として、静脈洞の拡大・血栓化や発達した側副血行路、あるいは2次的な静脈性出血、浮腫、梗塞が認められる。

皮質域、皮髄境界に沿った石灰化を生じることがある。皮質静脈への逆流とそれに起因する持続性の静脈うっ滞に伴った低灌流によって異栄養性の変化が起こるからと考えられている。

症例 50歳代男性 仕事中に突然の痙攣

dural arteriovenous fistula

左前頭葉に脳内出血あり、血腫はくも膜下腔および硬膜下にも及んでいる。アンギオにて、左の内頚動脈→篩骨動脈(硬膜の外を走行)と脳表の静脈に瘻形成を認めシャントあり、その静脈が拡張し瘤を形成し、上矢状静脈洞へ灌流あり。動脈からは脳表の皮質静脈の逆流のみを認めておりBorden type3の硬膜動静脈瘻の所見。

この症例を動画でもチェックする!


症例 40 歳代の男性。耳鳴り。

dural arteriovenous fistula2011年放射線科診断専門医試験問題12より引用

MRAの元画像にて、S状静脈洞の静脈洞壁や壁周囲に、点状あるいは線状の高信号が多発性に認められる。硬膜動静脈瘻を疑う所見。

症例 60歳台男性。MFH術後。転移性脳腫瘍の除外目的のCT。

dural AVF

2009年放射線科診断専門医試験問題10より引用

造影にて左側頭葉に索状の造影効果を有する部位あり。AVFを疑う所見。

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