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下垂体腺腫

■疫学
  • 脳腫瘍の15%を占める。下垂体前葉から発生する。
  • 20-40歳代に好発する。
  • プロラクチン産生性(3割)>非機能性(3割)>成長ホルモン(2割)>副腎皮質刺激ホルモン>甲状腺刺激ホルモン、ゴナドトロピン、プロラクチンは女性に多い。
  • 症状が出現しやすい副腎皮質刺激ホルモンはmicroadenomaであることが多く、MRIでも指摘できない微小なものは静脈サンプリングにて診断する。
■分類
  • 大きさが1cm以下の腺腫→微小腺腫(microadenoma(4割))大きさが1cm以上の腺腫→大腺腫(macroadenoma(6割))と分類。
  • ホルモン産生の有無によって機能性(60-75%)と非機能性腺腫とも分類される。非機能は周囲の構造を圧排したりして初めて症状を来すので、発見されるときにはかなり大きい。
■診断 MRI

下垂体腺腫とは?症状、診断、治療法は?MRI画像あり。

microadenomaのMRI所見

・正常下垂体は強く増強されるが、腺腫はあまり染まらず相対的に低信号として描出される。腺腫は遅れて染まる

・従って、ダイナミックの造影T1WIで診断をする。

・分布はホルモン分泌細胞の分布にある程度相関する。(あくまで傾向)
PRLとGH産生腫瘍は下垂体の外側部
ACTH、TSH産生腫瘍正中部に位置する傾向。

【Rathke嚢胞との鑑別】
・位置と信号、造影効果の有無が大切。
・腺腫の7割以上は外側に偏位しており、Rathke嚢胞の9割近くが正中に位置している。
・Rathke嚢胞は蛋白濃度によりさまざまな信号を示すが、T1で高、T2で低はRathke嚢胞に特徴的。
・Rathke嚢胞は境界明瞭で全く造影されない。

症例 50歳代男性 プロラクチン高値

mircroadenoma

macroadenoma

1cm以上の下垂体腺腫。非機能性が多い。

視野障害(両耳側半盲)、視力障害、頭痛で発症することが多い。

・正常下垂体がどちらに変位しているか、海綿静脈洞へ浸潤しているかといったことは、術前に確認しておく必要がある。

macroadenomaのMRI所見

・腺腫は充実性のことが多い。

内部に出血性嚢胞変性を来すことがある。

・上方に進展すれば視交叉を圧迫する。

MRAではA1の挙上と内頸動脈のsiphon部の開大を示すのが典型的である。

海綿静脈洞への浸潤を示す所見としては、
▶内頸動脈の狭窄、
▶腫瘍が内頸動脈を2/3周以上取り囲んでいること、
▶内頸動脈の下内側部の海綿状脈洞部(carotid sulcus venous component)に浸潤していることなどがある。

チェックすべきポイント
  • 大きさ、部位
  • 海綿状脈洞進展:上記参照。
  • 視交叉の状態
  • 正常下垂体の位置-ダイナミックをすると分かりやすい
  • 腫瘍の内部性状:特に出血の有無(macroadenomaの1/3に見られたという報告も)

※下垂体と海綿状脈洞の間には硬膜がないので容易に進展しやすい。

機能性下垂体腺腫の腫瘍別MR所見の特徴

PRL産生腺腫
  • 頭蓋底や海綿状脈洞や硬膜へ浸潤傾向が強い。
GH産生腺腫
  • 下方進展の傾向
  • T2WIで低信号
ACTH産生腺腫(Cushing病)
  • ほとんどmicroadenoma
  • MRで検出できるのは1/3-2/3
  • 静脈洞サンプリングが有用(海綿状脈洞に直にマイクロカテーテルを入れる)

MRIで下垂体に偶然見つかる病変=Pituitary incidentaloma

・1000例の剖検で2mm以上の病変が61例あり。=6%は偶然見つかる。

・ラトケ嚢胞>腺腫あるいは過形成>>梗塞、出血

・外側に局在=下垂体腺腫、正中部=ラトケ嚢胞が多い。

(Radiology. 1994 Oct;193(1):161-4.)

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