粘液癌(Mucinous carcinoma)

・乳癌全体の3%。

・高齢者に多い。

・腫瘍性上皮細胞から細胞外へ分泌された粘液巣を特徴とする。

・純型(pure type)と混合型(mixed type)にわけられる。

  • 純型:病巣全体が粘液結節からなり、間質浸潤のないもの。
  • 混合型:部分的に粘液産生を伴わない通常型の浸潤性乳管癌の病巣をみるもの。

・線維腺腫との鑑別はどのモダリティでも困難な場合がある。

画像所見は?

▶マンモグラフィ

・円形、楕円形、分葉形ときに不整形の腫瘤

・境界は明瞭平滑が多いが、時に微細分葉状を呈する。

・時に鋳型状の比較的大きな石灰化を伴う。

・混合型は通常の浸潤癌と区別が困難なことが多い。

▶超音波検査

・境界明瞭平滑な腫瘤。

・縦横比が大きい。

・内部は等から高エコー(線維腺腫より高エコー)を呈し、後方エコーは増強する。細胞成分や液体成分が多い場合は低エコーを呈する。

▶MRI所見

T2強調像では著明な高信号。

・乳癌でも例外的にADCが高い。この点がより良性腫瘍との鑑別を困難にする。

  • 純型
    • 境界明瞭平滑または分葉状
    • T1強彫像では低信号
    • 漸増型(persistent)濃染で辺縁よりはじまり、隔壁状の造影効果が徐々に内部が濃染される。(隔壁状の造影効果が線維腺腫との鑑別点)

 

  • 混合型
    • 境界不明瞭、辺縁不整
    • T1強調像では低から等信号
    • 急峻な早期濃染後、plateauまたはwash out

・鑑別は線維腺腫、葉状腫瘍、充実腺管癌など境界明瞭な腫瘤。

・粘液腫様線維腺腫と粘液癌の鑑別は時に難しい場合がある。(T2強調画像にて著明な高信号。隔壁様構造を伴う。→鑑別が難しい場合は細胞診を勧める。)

・約15%に乳管内病変を伴う。

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