99mTc-GSA肝受容体アシアロシンチ

  • 受容体シンチ=アシアロシンチ。核種は99mTc-GSAを用いる。
  • 肝細胞膜表面に存在するアシアロ糖タンパク受容体と特異的に結合し、受容体を介して肝細胞内に取り込まれる。アシアロ糖タンパク受容体量は機能している肝細胞数に比例し、99mTc-GSA 肝シンチグラフイにより肝予備能の評価が可能である。
  • 肝予備能低下で心プールの描出が持続する。
  • 黄だん症例でも肝機能の評価ができる。
  • 定量的指標として、99mTc-GSAの血中消失率の指標としてのHH15、肝集積の指標としてのLHL15 などのパラメータが用いられる。
  • H●は静注後●分での心臓でのカウント値。L▲は静注後▲分での肝臓でのカウント値。
  • 肝機能障害があると
    →心臓に停滞して、肝に取り込まれない。
    →心での集積↑、肝での集積↓となる。

HH15とは?

  • HH15=H15/H3 (H3は3分後に心に集積)15分経っても心への集積が多ければ、肝機能障害あって心に停滞していることを意味する。つまり、この値は低い方が正常。<0.61

LHL15とは?

  • LHL15=L15/H15+L15 15分経っても心へ停滞多ければ分母が大きくなり、値は小さくなる。なので値は大きいほうが正常。>0.91

 

肝機能が悪化すれば・・・
HH15が上昇。LHL15が低下。

HH15,LHL15の基準値

正常値は、HH15が0.5-0.6、LHL15が0.91-0.96程度(わかりやすい核医学(文光堂)P162)。

また以下のような報告もある。

HH15 LHL15
normal 0.50-0.57 0.93-0.96
mild 0.55-0.71 0.87-0.95
modereta 0.67-0.82 0.78-0.91
severe 0.78-0.88 0.59-0.82

(Kaku Igaku 29(2):159-181,1992より引用)

肝機能の指標

  • アンチトロンビンⅢ
  • ビリルビン
  • プロトロンビン時間
  • ICG排泄率
  • Child-Pugh分類

99mTc-GSAはこれらによく相関する。

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